借金をすると、人によっては借金を重ね首が回らなくなってしまうことがあります。支払いたいとは思っていても、収入がないのに支払うことができないと言う人もいるでしょう。この借金には、時効があることを知っているでしょうか。ですが、リスクもあります。
■借金の時効
1度借金をすると、少額であれば何とか払えていけると思う人も多く実際に何か月もかけて支払いを終えている人もいます。ですが、高額になればなるほど支払いは難しくなることがあります。借金をする前の契約をする時には、毎月の収入がいくらあるから払うことはできるし問題ないと思って契約します。審査も通り、初めのうちは順調に返すことができるかもしれません。ですが、高額になると毎月の支払額を安くするために支払う期間を長くする人もいれば、早く返したいからと毎月に返す金額を高額にして短期間にする人と様々です。支払い方は自由に決めることができます。
ですが、どの場合もリスクはあります。どれを選択をしたとしても、借金をすると言うことは悪循環になってしまうことがあります。借金はすぐに返せると、思うかもしれませんが借金をしてからの生活は簡単な問題ではないのです。借金をしてからの生活は、していない時に比べると苦しくなります。
生活するためには、どうしても仕方なくしなくてはいけない借金や欲しいモノのためにした借金など様々な理由から借金をすることはあります。ですが、借金をしてから返せなくなり支払いも滞ったままとなると支払えなくなってしまう可能性は高くなります。なぜならば、1か月滞ると次の月に2か月分、2か月滞ると次の月に3か月分それ以降となると、全額支払いを命じられることが多いからです。まだ、2か月分であれば支払いができるし問題がないと気が緩んでしまうと毎月遅れてしまうことになるので注意が必要です。
そんな借金は、一生涯つきまわってくるモノではありません。どんなに借金で苦しんでいても、楽になる時がきます。それは、払い終えた時か借金が時効になった時です借金の時効について聞いたことがあるでしょうか。簡単に言うと、どのような借金にも時効があるのです。ですが、時効になるのは条件があります。また、時効になることによって起こるリスクがあります。
詳しくお伝えしていくと、時効というのは「消滅時効」のことを言います。借金をしてから指定されている期日までに支払うのが通常ですが、何かの出費が続いたり経済的に不安定になると払えなくなってしまうことがあります。払えなくなってしまうと、督促の連絡がきます。ですが、払えないことをいつまでに支払うかを伝えることで待ってくれることがあります。その待ってくれることを「弁済期」と言います(民法493条より)。
この弁済期か最後に返済をしてから一定の期間が経つことで消滅時効が成り立ちます。この一定の期間とは、借りた場所によりますが5年(商法522条より)か10年(民法167条より)です。借りる場所としては、次の通りです。
・アコムやアイフル、三井住友カード、日本保証などの消費者金融やクレジットカード、銀行や保証協会などであれば、5年
・三菱UFJ住宅ローン保証株式会社などの信用金庫や住宅金融公庫の住宅ローン、親や友人など個人間は10年
■消滅時効の援用
借金の消滅時効があるとはいえ、ただ5年から10年待てば勝手に時効が成立するというわけでもありません。消滅時効が経った時に「援用」をしなくては成立しないのです。時効援用とは、借金をしてから一定の期間が過ぎたために返さなくても良くなったということを借りた会社に伝えて借金がなくなるということです。
方法としては、郵便で時効制度を利用するという通知書を借りている会社に送ったり口頭で伝えたりします。法律的には詳しい決まりはないので、どちらを選択しても良いです。ただ、口頭で伝えた場合、実際に時効がきた時に自分は時効が成立しているからと思っていても会社の方から消滅時効の援用はしていないと言われると証明がないためにトラブルが起こる可能性が高いです。
トラブルを起こさないためには、決まった書式に従って作成し証拠を残すと良いです。次のような人は、消滅時効の援用を考えてみてはどうでしょうか。
・5年以上そのままにしている借金がある人
・督促状が届いているという人
・時効援用をしたいという人
ですが、消滅時効の援用ができない場合もあります。それは、曖昧な個人間のやり取りの場合です。契約者などなく口約束で行うなど、明確なモノがない場合には証拠がないために法律家も介入できないことがあります。
■チャラになる条件
消滅時効の援用をすることで、借金をなくすことができます。ですが、したい時に誰でもできると言うわけではありません。時効にさせるためには、条件を満たしていなければできません。それは、次の2つです。
・返済をしていない期間を5年以上作る
・消滅時効の援用をすると言うことを会社に伝える
これだけであれば、自分でもできると思ってしまいますが会社によっては専門的な知識がなくては解決が難しいことがあります。もしも、消滅時効の援用をしたいと思った時には専門機関に相談をしましょう。相談をすることによって、5年ほど返済なく放置していた借金があり取り立てなく過ごしていた人が消滅時効を知り、専門家に相談したところ時効を迎えており借金全てを消滅させることができたという人もいます。
■時効が中断されることがある
時効をチャラにできる条件はわかったと思います。ですが、専門家に頼んだとしても時効が成立することは多くありません。時効にさせる方法はあるとは言え、時効にさせることはほぼ不可能と言えます。それは、会社にとっては必ず返済をしてもらいと言うのが願いです。また、借金を回収するために会社の方が知識はあります。そのため、時効をするための期間を作るのが難しいのです。期間を作らないために、会社の方から次のことをすることがあります。
○支払いの督促状を送る
支払いの督促状を出すことで、払わなくてはいけないということを催促し伝えます。それでも支払いがなければ、裁判所に申し立てることもあります。裁判所に申し立てをし、受理されると支払い命令が下されることが多いです。
○和解の申し立てをする
裁判まではしなくても、支払金額や総額などを話し合い互いに了解してしまうと和解できたということで時効は関係なくなります。
○時効をしている時に支払いをしてしまう
時効を会社にも伝えてから期間を待っている時に、少しでも返しておこうと支払いをしてしまうと時効は無効となります。
○差し押さえ命令が許可される
会社は、差し押さえ命令を許可してもらえるように裁判所に訴訟を起こすことができます。許可が出てしまうと、財産が差し押さえることができます。すると、支払いがされるので時効は無効となります。
○時効をストップさせている
時効まで待ち成立したから借金は返さなくても良いと、借金をした側は思っていても会社側がいつの間にか時効をストップさせているということもあります。
■時効によって起こるリスク
消滅時効をするのは良いですが、借金がなくなると言うメリットだけではありません。時効をすることによって時効援用中と援用後で起こるリスクがあります。時効援用中は、次の通りです。
○住民票を移動させることができない
借金が返せなくなると、借りた会社から連絡がきます。自宅だけであればまだ誰にも知られることはありませんが、支払いがされなければ職場に連絡がきてしまうことがあります。
すると、周りの人にも知られてしまうことになり日常的に支障が出ます。また、住民票を知られているので同じ場所にいる限り連絡は必ず、確実にきます。そこで、夜逃げをする人や場所を住んでいる場所を移動する人がいます。ですが、何かと本人確認が必要なことが多いです。すると、住民票を取得しなくてはいけないこともあります。本人確認をした時点で居場所がわかってしまいます。住民票を動かせば良いと考えるかもしれませんが、移動させることができません。
○時効が成立しない限り借金はある
時効が成立しない限り、借金はそのままです。減りはしません。遅れるだけ遅延金や利息、罰金などが付いてしまい、増えてしまう可能性が高いので注意が必要です。
○精神的に不安定となる
借金があるだけでも、精神的には不安定となります。ですが、支払いができなければさらに追い込まれてしまいます。それが時効となる5年間は最低でも続くことになります。
取りたてや督促などから怯えながら5年間以上も生活することはストレスに耐え切れなくなってしまいます。
時効援用後は、次の通りです。
○5年はクレジットカードやローンを作ることができない
時効援用を行うことで、今までの契約した内容や支払いの状況などが記録され個人信用情報機関に登録されます。
すると、5年くらいは情報は登録されたままなので新しくカードを作ったりローンを組もうと思った時に情報に登録されているということで信用がないために、貸してくれません。
○借金をした場所からは一生ローンが組めない
個人信用情報機関に、5年間は情報が登録されます。基本的には5年で情報が消されるのですが、時効になり借金を払わなかったということであれば借金をした会社では情報が残されます。このことで、その会社では一生ローンが組めません。
■最後に・・・
借金をすることは、簡単です。ですが、借金をしてからの今後は生活に影響が起こることは確かです。今苦労している人、これからするかもしれない人とさまざまいます。借金をすると、必ず返した方が良いです。ですが、人生はどうなるのかわかりません。急に支払いができなくなることもあります。そのような場合には、今回紹介したように消滅時効をすると言う方法もがあります。ただ、援用を取得するためには時効までに手続きをしたり、リスクがあったりなどするので理解した上でする必要があります。また、会社であれば専門職の人に頼むことはでき時効にさせることができるかもしれません。ですが、個人同士で高額のやり取りをした場合には時効にさせることは難しく信用にも影響があります。