闇金からお金を借りている、闇金からお金を借りたことがあるという方が困っている問題の1つに銀行口座の凍結があります。
・気づかずに銀行口座を使おうと思ったら使えず、
銀行に理由を確認すると警察からの指示で凍結されていた
・「警察からの凍結口座リストにあなたの口座が載っているので凍結します」
という連絡を銀行から直接を受けてしまった
など、突発的に使用出来ない状態になってしまいます。
いったい自分の銀行口座はどうなってしまったのでしょうか?
銀行口座が凍結されるということは、口座名義人が持っているすべての口座が凍結されることになります。これは大変な問題です。
- そもそも口座凍結を解除することはできるのか?
- どうすれば解除できるのか?
- 自分の預金はどうなるのか?
など、たくさんの疑問や不安がでてくることになりますので、解説したいと思います。
Contents
なぜ凍結されてしまうのか?
まず、あなたの銀行口座を闇金業者に教えてしまっていませんか?
凍結されてしまった可能性で一番高いのは、闇金業者に悪用されてしまっているということです。
そして闇金を営業開始する時には、「三種の神器」が必要だといわれています。
「多重債務者の名簿」、「他人名義の銀行口座」、「他人名義の携帯電話」です。
闇金業者は自分たちが違法な営業をしていることは十分に分かっているので、身元を隠して営業するために他人名義の銀行口座や他人名義の携帯電話が必要になってくるのです。
闇金業者にとって他人名義の銀行口座は、必ず手に入れたい道具になります。あなたの銀行口座は非合法にお金を貸した返済の口座として使われる、振り込め詐欺などの犯罪の口座に使われることになるのです。
これが闇金の手口です!
闇金業者にとって他人名義の銀行口座は、必ず手に入れたい道具になります。闇金業者は、多重債務者や滞納などをしていてブラック扱いになっている人を標的にして営業をします。
なぜならば、まともな金融機関からはお金を借りることができないと分かっているからです。どうしてもお金を借りたいという人の弱みにつけこんで、借り手の銀行口座や通帳、キャッシュカード、暗証番号などを聞き出すのです。
また、返済が滞った場合も返済ができないのならば、かわりに銀行口座の情報を渡せといってくることもあります。ここで銀行口座の情報を渡してしまうと大変なことになります。あなたの銀行口座は非合法にお金を貸した返済の口座として使われる、振り込め詐欺などの犯罪の口座に使われることになるのです。
口座の売買は立派な犯罪です!
あなたの銀行口座の情報を闇金業者に渡してしまうと、あなたの知らないうちに犯罪に使われてしまう可能性があるのです。知らない間にあなたが詐欺の犯罪者になっていることにもなりかねません。
それは、あなたが銀行口座の売買をしたつもりはなくてもです。銀行口座を売買する、譲渡するということは法律で禁じられています。そしてあなたの銀行口座で犯罪がおこなわれ、それが発覚すると警察から口座凍結されることになるのです。(犯罪利用預金口座と判断されてしまいます。)
また、警察では口座名義人のあなたも闇金とグルになっているのではと疑ってかかります。そして最悪な場合は、口座名義人のあなたが逮捕されることもあるので恐ろしいことなのです。闇金業者に絶対に銀行口座の情報を渡してはいけないのです。
解除するための方法
銀行口座を凍結されたらお金を引き出すことも動かすこともできなくなります。とても困る問題です。それも、あなたが持っている銀行口座の全てが凍結されます。
自分で口座凍結を解除できるのか?
銀行に「自分の口座を使えるようにして欲しい」と言ったとします。しかし、銀行からは「警察の許可がないとできない」と言われてしまうのです。
それで、次に警察に通報してみます。自分の銀行口座の通帳やキャシュカードを持って行き、自分が口座の名義人だということを主張します。
しかし、警察としてもあなたが闇金業者の仲間であるのではないかと疑ってかかります。警察の捜査が終わって、あなたの口座が犯罪に利用されただけであると証明でもされない限りは、銀行口座が凍結したままになってしまうのです。その期間は長く、何年も銀行口座が使えなかった人もいるくらいです。
それならば、新しい銀行口座を作ればいいかというとそうでもありません。銀行口座を凍結されていると「凍結口座名義人」というリストに名前が載ってしまうのです。このリストに載っているとどこの銀行でも新しい口座が作れなくなるのです。
ですので、本当に生活が困窮してしまうことになるのです。自分ができることといったら、闇金業者と自分は無関係なことを根気強く訴え続けるしかありません。
口座凍結解除までの流れや期間は?
自分の口座が犯罪に使用された場合は、どのようなことが考えられるのでしょうか。あなたの他にも闇金業者からお金を借りている人がいます。その人の返済口座に使われることがあります。また、振り込め詐欺の口座に使われることも考えられます。
ですので闇金業者に勝手に犯罪に使われたような身に覚えがない場合は、口座が凍結されてから犯罪被害者に分配されるまでの間に「私の口座は犯罪に利用していない」ことを届け出る必要があります。
これは「権利行使の届け出」といい、原則60日以内に各金融機関へ届け出を行う必要があります。期限が過ぎてしまうと、口座名義人のあなたは口座の権利を失ってしまうのです。
まずは、凍結された金融機関に問い合わせをし、権利行使の届け出を行う旨を相談してください。
主要金融機関のお問い合わせ先
三菱UFJ銀行:
http://www.bk.mufg.jp/info/security/toiawase.html
三井住友銀行:
http://www.smbc.co.jp/contact_list.html
みずほ銀行:
https://www.mizuhobank.co.jp/retail/help/index.html
ゆうちょ銀行:
https://www.jp-bank.japanpost.jp/contact/ctt_index.html
なお、60日を過ぎて口座の権利が消滅した場合でも、届け出ができなかったやむを得ない理由があった場合や犯罪口座ではなかったという相当な理由があれば、預金の支払いを請求することができます。
いずれも銀行などの金融機関では犯罪に使用された疑いのある口座を凍結した場合、口座凍結の理由を教えてもらえないことが多く、警察でいくら犯罪に利用されたと訴えても取り合ってもらえないこともあります。
そんな状態で月日が経っていくと、60日の失権手続きの期間が過ぎてしまいますので期限には十分に注意しなくてはなりません。これにはかなりの法律的な知識が必要となってくるので、弁護士や司法書士にまかせた方がいいでしょう。
どこに相談すべき?
もちろん警察にも相談するべきですが、私だったらまず闇金に強い弁護士もしくは司法書士に相談します。法律の専門家であるし、闇金業者にかかわってしまったせいで口座凍結されたというような相談は、全国にたくさんあります。こういった案件を多く解決してきた闇金に強い専門事務所に相談するべきです。
警察にも被害届を出す必要がありますが、警察は捜査が進まないとあなたが闇金とは無関係の人間であるということは証明されません。それまでに闇金から取り立てや様々な嫌がらせがあるかもしれません。そういったものも含めて相談できるのになるからです。
解除できなかった時の預金はどうなるの?
犯罪に利用された、犯罪に利用された疑いがある銀行口座は口座凍結をされ、そのままにしておくと最終的には犯罪に巻き込まれた被害者の補償にあてるお金になります。あなたの口座に残っているお金を被害にあった全員で分けることになるのです。
犯罪に使用された疑いがあることが原因で口座凍結された場合は、解除するには困難なことが多いです。口座凍結して口座の取引が停まると『預金保険機構』のホームページにて預金口座の権利消滅の公告がされます。
『預金保険機構』
http://furikomesagi.dic.go.jp/sel_pubs.php
・権利が行使されているか?
・凍結してどれくらい経過しているか?
・権利がいつ消滅したのか?
など細かいデータを閲覧出来ますので、しっかり確認しておきましょう。
解除できた後の対策
このように闇金業者からお金を借りたことで銀行口座などの情報を握られてしまった場合は、その情報は名簿屋などを通じて流通する可能性があります。その名簿をほかの闇金業者や振り込め詐欺業者に悪用されることがあります。
ですので、闇金業者との事件の処理が終わったときに、それまでに使っていた銀行口座や携帯電話といったものは解約して新しい物にかえておく方が安全です。そして最も大切な事は、闇金被害にあった原因が何であったのか振り返ってみることです。
消費者金融からの借金を支払うためであったのならば、借金返済のために借金を繰り返すという終わりのない行為をまた繰り返すことになります。
いままでの借金を整理する必要があります。整理といっても自己破産までいたらなくても任意整理や個人再生で処理できる場合もあるので、専門家のアドバイスを得ることが大切です。
今後の人生を送る上で、結婚、出産、病気、怪我、引越しなどまとまったお金が必要になることもあります。その時は、区役所などの自治体の「応急小口資金」、社会福祉協議会の「緊急小口資金」の貸付制度などで相談をしてみてはいかがでしょうか。
どうしても生活が困窮して日々の生活が送れないという場合は、生活保護を受給することを検討する方法もあります。
最後に・・・
闇金業者には絶対に関わらないこと、個人情報や銀行などの情報は教えてはいけません。銀行口座を売買したつもりは無くても勝手に悪用され、あわや犯罪者にされる危険性があります。
あなたの銀行口座が犯罪に使われたとみなされるとすべての銀行口座が凍結されて大変困ることになります。口座凍結を解除するためには手続きに時間がかかり、必ず預金がすべて戻ってくる保障もありません。
闇金業者との事件がひと段落したら、借金に頼らなくても生活していく方法を見直すことが大切です。もし生活に困窮したら怪しい闇金などではなく、公的な機関に相談することをお勧めします。