ヤミ金に悩まされている、という方が多いようです。一時期、あれほど「甘い誘惑に載ってはいけない!」とか「ヤミ金の見分け方!」、「ヤミ金を借りたら人生崩壊!」と、各メディアが強い口調で恐怖感を煽っていたのにも関わらず、未だにヤミ金被害が無くなりません。
ヤミ金を利用してしまった方の理由は人それぞれですし、その返済方法などもさまざまです。
違法性がある場合は即座に然るべきところに相談をすべきなのですが、その中で「警察に相談する」という選択肢も示唆されています。実は、ヤミ金被害は真っ先に警察へ相談してしまうのは、あまり良い方法ではない、とも言われています。一体、どういったことなのか、ここで検証していきます。
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違法になる条件
まず、前提としてヤミ金自体は違法行為です。それはご存知かと思いますが、「お金を借りてみたら、なんとヤミ金だった…。」というケースも発生しています。借りている貸金業者がヤミ金であると判断するためには、どういった条件が必要なのか、案外知らない方がいるので順を追って説明していきましょう。
法外の金利
まず挙げられるのは金利です。出資法で定められている上限金利は、貸金法の改定以降20%です。つまり、これを超えてしまう金利を取られていた場合、その金融業者は違反していることになります。さらに、年20%ですので、ヤミ金は遥かに超えていることが往々にしてあります。
そもそも論ですが、月に数回も返済があり、金利を貪ってくるのであれば違法性は高い可能性があるので計算してみてください。
脅迫
消費者金融での滞納というと、怖いお兄さんたちがアパートの前で大声で叫び、そしてドアを蹴飛ばすなどの迷惑行為をイメージするでしょうが、あれは確実に違法です。自宅はもちろん、親族や職場などに嫌がらせを行う場合、それらは全て脅迫ですし、何ら着にせずそういった行為を続けてくる場所はヤミ金でしょう。
実際に過去、ある大手消費者金融が厳しい取り立てをした、ということで、数日間の営業停止命令を受けた事例があります。
無登録業者
近年、「闇金融対策法」なるものが成立しており、貸金業登録の審査を義務化となっています。これらを無視している場合は、シンプルにヤミ金です。また、こういった無登録の貸金業者、ヤミ金が勧誘行為や違法性の高い広告を打つこと自体も違法です。
これからの条件の中で一つでも概要していたら、確実にヤミ金ですので、即座に取引は中止しましょう。
警察に相談する方法
さて、仮にヤミ金に嫌がらせを受けているなどの理由で、警察に相談する場合はどのような手続きを踏むべきかを紹介していきます。
被害届けの提出
まず、ヤミ金を利用した際に受けた内容の被害届を提出しましょう。自分の住んでいる所轄警察署の生活安全課が、ヤミ金には基本的に対応しているので、そこへ相談しにいきましょう。
しかし、被害届を出す場合、自分が受けた被害内容をしっかりと記載していない限り、漠然とし過ぎていて解決に結びつかないことがあります。
例えば、「ヤミ金を利用しているが、怖くて困っている」などです。これでは、どこのヤミ金でどのように借りており、さらには何がどう怖いのか、サッパリとわかりません。
さらに、怖いのはアナタがそう感じているだけなのではないですか?と、言われて捜査自体に入ってくれません。「ヤミ金で困っている」という旨だけでは、被害内容として厳しいようです。それでは、具体的にどのような内容があれば取り合ってくれるのでしょうか?
相談窓口でヒアリング
前述していますが、ヤミ金の相談をする場合は所轄警察署の生活安全課です。まず、被害届を出したいのであれば、その所轄警察署の生活安全課でしっかりと内容を相談して、どんな被害があったかをまとめていきましょう。
被害届の提出に必要な項目
・ヤミ金をいつ借りたのか
・相手の電話番号や名前(会社名・個人名)
・やり取りしていた電話やメールの履歴
・請求されている金額
・支払ってしまった場合は振込み額、日時、振込先
などのわかっている範囲のヤミ金の情報や、やり取りの履歴を用意し、被害届に書くべきだといわれます。
また、所轄警察署の生活安全課で相談する中で、
・生活自体にどのような支障が出たのか
・どのように困っているか
・実害としては何があったのか
など、ヤミ金を利用したことによる影響を具体的に相談してください。
仮に、僕が警察であっても、困っているだけではわかりませんし、動きようがありません。もし、警察で解決したいのであれば、徹底的に所轄警察署の生活安全課で相談すべきです。
警察の対応は良くない?
さて、実際に警察に相談した場合、警察の対応はどんなものになるのでしょうか。基本的には、警察に被害届を提出すれば、その情報は全国の所轄に共有されます。ただ、難しいのが警察の対応はまちまちである、ということです。
警察が即時対応をしてくれる可能性がある場合は、ヤミ金からの嫌がらせが厳しく、命が脅かされているなどの切羽詰まった物です。金利が高くて困っている、ということの場合、警察の対応は違法性のあるヤミ金に電話を直接かけて「あんたらヤミ金だろ?困っている人がいるからやめましょう」と、言ってくれるケースは極稀です。
さらに、それでヤミ金が恐れて取り立てを辞めるか否かは不明で、より強烈な嫌がらせをしてくる可能性すらあります。また、警察は強くヤミ金に注意勧告は可能ですが、支払ったお金を取り戻すことは法律上できません。
もちろん、警察の中にもヤミ金対策に知識が乏しい人などもおり、実害が出てようやく対応をスタートさせる場合も少なくはないのです。
警察への相談はベストではない?
こう考えると、警察への相談はヤミ金被害の対策としては、ベストではないかもしれません。その理由を少し考えていきましょう。
民事不介入
以前、話題となったのが警察はヤミ金問題に民事不介入という理由で捜査してくれない、ということです。個人的にも、警察は諸処の問題を抱えており、違法性はあるヤミ金に注意喚起はできても、実害が無い限り動いてくれないことが多くあることがわかります。
民事不介入については、夫婦間や親族間でも争いや、人間関係のトラブル、さらには個人間や業者から借金をする借金問題は民事不介入のカテゴリに入ります。
ただし、借金問題に関しては、法を順守する借金問題をさしているため、ヤミ金は全く別の悪徳業者です。とはいえ、未だ知識の乏しい警察官がいれば、民事不介入という方法で門前払いされる可能性もあるのです。
被害者も逮捕される可能性
ヤミ金被害を解決してほしい、と警察に被害届を出したのに、なぜか自分が逮捕される…という、謎の事件が起こることがあります。ヤミ金業者は、こうしてオレオレ詐欺などを行っている場合が多くあります。
ヤミ金を借りた時、携帯電話や口座を譲渡を条件に貸付けを行う悪徳業者がおり、その条件をのんで譲渡してしまった場合、アナタの口座や携帯電話が犯罪に利用されることになります。
自分は何も知らないところで、実はこの犯罪を加担した、ということになってしまい、最悪警察に逮捕されることもあるので要注意なのです。
手口の巧妙化
個人的にヤミ金に騙された過去がありますが、さまざまな携帯電話で電話をかけてきて、住所も曖昧だったため、どんな連中から借りていたのか最終的にわからなかった、ということがあります。
昔でもそうなのですから、今ではより手口が巧妙化しているのは当然です。全く別の名前でアパートを契約したり、電話も関係の無い人たちを騙して契約させ、解約、新規を続けるなど警察が追いたくても追えない、そんな状況になります。
大きな被害が出ていれば、警察も総動員で動きますが、個人が数万の支払いで困っている…ということで、24時間警察が全てその対応に命を賭けてくれることはほぼないでしょう。
個人的にも、日常生活が確実に脅かされる、そんな辛い状況まで待って警察を頼るのは賢い選択ではない、と思います。
『専門家を頼る』という解決策
これらのことから、ヤミ金での借金問題は、やはり専門の弁護士や司法書士に頼るべきだと思います。違法に搾取された金利を戻してくれる可能性がありますし、さらには支払いも即日ストップさせることも出来ます。
相手も、嫌がらせをしにくくなるため、安全に解決する可能性があるのです。警察の場合、違法性があるためにピシャリ!と、ヤミ金に注意をしてくれたとしても、ほとぼりが冷めた頃にまた嫌がらせをスタートすることは、往々にしてよくあります。
また、警察の場合は初動にどうしても時間がかかる可能性があり、それまでにヤミ金も、出来る限りの嫌がらせをぶち込んできます。即効性、そして解決後のアフターフォローについても考えてみると、ヤミ金対策に強い、専門の弁護士・司法書士に相談しておいた方が良いのではないでしょうか。
個人的にも、ヤミ金に強い弁護士・司法書士は、相談に親身に乗ってくれますし、味方になってくれます。ヤミ金で困っているのであれば、まずは弁護士に相談すべきでしょう。
最後に・・・
警察はメリットが無い、ということではなく、まずは専門の弁護士や司法書士に相談して、それでも違法性のある嫌がらせで実害を受けたとしたら警察に相談する、という流れがベストだと思っています。
ヤミ金は、こちらの精神を削りに削ってきて、粗利を稼ごうと必至です。こちらも、その脅しに屈せず冷静に対応を続けていきましょう。