10日で1割などとんでもない暴利でお金を貸し付け、犯罪ともとれる取り立てで人々を苦しめる闇金。闇金に引っかからないように気をつけたいところです。
ところが、自分で闇金を利用しなくても「連帯保証人にされてしまうこと」があります。連帯保証人であることを理由に闇金を返済することになってしまっては大変ですよね。今回は勝手に闇金の連帯保証人になってしまった時の対応策を紹介します。
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まず、支払いの義務はない
闇金に勝手に連帯保証人にされた時、いったいどうすればよいのか焦ってしまいますね。結論から言えば、闇金の連帯保証人委されたところで支払いの義務はありません。
なぜなら、闇金はそもそも借金の契約が無効だからです。まず、闇金は貸金業登録をしていないため貸金業法に違反します。つぎに、闇金は法外な利息でお金を貸しているので出資法違反になります。
また、違法な取り立てや詐欺も絡めて消費者を苦しめることにも違法性があります。こんな実態なので違法な利息については絶対に無効、そして合法な利息についても公序良俗に基づいて無効です。さらに、契約が無効になった以上出てくるのが元本の返済ですが、違法なやり方でお金を貸してしまったため元本の返済義務すらなくなってしまいます。
闇金からお金を借りた人は利息も元本も全く返済しなくてOK!
連帯保証人も返済義務がありません!
連帯保証人ってこんなにつらい
しかし、闇金に債務者が適切な対応をしないと連帯保証人であることを理由に返済を迫られます。そもそも連帯保証人って何なのでしょうか?
連帯保証人とは?
債務者と同じ扱いになる人です。ちなみに、民法には保証人というものもありますが、こちらは債務者に連帯しないため「債務者が払えない時に返済を求められる人」となります。
つまり、連帯保証人の怖さは借金を返す義務を負うことではなく「債務者より取り立てやすい」という理由だけで返済を迫られてしまうことです。債務者へ取り立てるように言うことができません。
最悪の場合、連帯保証人になった後、債務者に逃げられてしまうか自己破産されてしまい、全ての債務を負わされ、自己破産せざるを得ない状況になってしまいます。
正しい連帯保証人の契約に必要なもの
そのため、連帯保証人には可能な限りならないほうが良いですし勝手に連帯保証人にさせられるなどもってのほかです。
正しい連帯保証人の契約に必要なものは本人の署名と捺印です。
そもそも、契約というものは本人の手によって行うのが基本で誰かが勝手に代わることはできません。代理が許される行為であっても、ちゃんと代理した事実を残さなくてはいけないのです。(他人の住民票を発行するときだって委任状を書きます)
よって、連帯保証人契約は無効
連帯保証人の契約を勝手にする行為は無権代理、つまり権限もないくせに代理をしたということで無効になります。
もし、自分ハンコを押された場合でも筆跡の違いを証明できれば無効にできますし、契約書の内容を騙されていた場合もそれを立証できれば連帯保証人契約を取り消せます。
よって、合法な借金で連帯保証人契約を勝手にさせられた時も無効にできます。
それでも、取り立てや催促はやまない
しかし、闇金はそもそも違法な組織ですから連帯保証人でないことを主張しても取り立てや催促はやみません。連帯保証人にされたことについても向こうはいい口実ができたぐらいにしか思っていないのです。
闇金の手口は電話が基本
闇金の取り立ては電話が基本です。何度も電話をかけて罵倒し、被害者の心を攻撃します。この電話攻撃に耐えかねて精神を壊してしまう人や判断力を失ってしまう人も少なくありません。朝から晩まで電話をかけられれば誰だってそうなります。着信拒否にしたところで履歴は残ります。煩わしいことこの上ありません。
しかも、本人が無視したところで今度は家族にも電話をかけて巻き込みます。家族の次は子供の通う学校や自分が通う職場にまで嫌がらせをしてきます。最悪の場合は会社での立場が危うくなり仕事を辞めざるを得ないこともあります。
闇金は被害者が不利益になることで脅して、お金を支払わせようとします。闇金に他人を巻き込ませたくないと思うほど脅しに負けやすいので気を付けてください。
迷惑電話についてはこちらの番号を変えるしかありません。
訪問されることも・・・
債務者はあなたの個人情報を闇金に渡しているので自宅や会社に乗り込まれることがあります。近所迷惑になりますし、闇金ともめていることがばれるのは怖いと屈してしまう人もいます。
すぐに解決したい脅迫や暴力については警察に相談しましょう。そして、慢性的な嫌がらせの解決や闇金との関係解消をするなら弁護士へ相談です。
屈して返済してしまってはいけない
闇金からの取り立ては本当につらいと思います、なぜ自分だけ…とさえ思ってしまうでしょう。しかし、返済義務がない以上絶対に返済してはいけません。一度返済してしまうと闇金は付け上がってさらなる支払いを要求してきますし、嫌がらせがエスカレートすることも考えられます。
返済義務が発生するケースもあるの?
繰り返しになりますが、そもそも闇金の返済義務はありません。闇金の契約が無効である以上”無権代理の追認”という問題も無視して大丈夫です。よって、一部の借金を払ったから残りの債務を全部支払わなければいけないことを闇金が脅迫してきたとしても支払いはストップしてください。
無権代理の追認とは?・・
「一部の債務を支払ったら残りも支払わないといけない」というルールのこと。無権代理の中には「別にそれが代理されても構わない」というケースがあり、そのまま有効にしてしまいたいなら本人の追認(無権代理を認めること)で有効な代理行為だとすることができます。
勝手に連帯保証人にさせられたという場合は、連帯保証人が本人で債務者が代理人となります。このとき、請求された債務を連帯保証人とされた人が支払うことは自分が連帯保証人であると認めたと判断されます。よって、合法に契約された借金の連帯保証人にされてしまった時は「1円も債務を支払わない」ことが大切です。
逆に言えば、普通の借金で勝手に連帯保証人にされてしまった時でも支払いをしていなければそれを理由に債権者からの要求をはねのけることができます。
*闇金はこのルールを無視できるのでご安心ください。
大事なのは身に覚えのない支払いに応じないこと
闇金であれ銀行であれ連帯保証人契約に根拠がなければ支払い義務は発生しません。そのため、身に覚えのない支払い請求には絶対に応じないでください。
他にも闇金は押し貸しやカラ貸しなど、身に覚えのない請求をしてきます。ひどいときには連帯保証人なんて経緯がないにも関わらす「あなたは連帯保証人になりました」という電話をかける詐欺すら行います。
もし払ってしまっていたら?
もし、闇金に一部のお金を払ってしまっていたらそれを取り返すことは可能です。繰り返しになりますが、闇金の契約は無効でしかも元本すら相手に返す必要がありません。ただ、実際に取り返すことは難しいので闇金との関係を断つことを優先してください。
とにかく弁護士や司法書士に相談
闇金の取り立てに悩んでいるときはとにかく司法書士・弁護士に相談しましょう。目的はお金を取り返すことではなく闇金を止めることです。単に法的な争いをしたいときは警察に頼っても商がありません。
司法書士・弁護士が間に入っていると分かれば闇金も不利益をこうむってまで被害者にたからないため、解決できます。闇金は違法な存在なので裁判ではまず勝てません。それなら新しい被害者を探した方が得なのです。
ただし、闇金側も対策はいろいろ考えていて交渉力の弱い司法書士・弁護士では闇金を抑えられないこともあります。しっかりと対応してくれる闇金に強い司法書士・弁護士を選んでください。
具体的な流れ
司法書士・弁護士が闇金を撃退する流れは単純です。
- 司法書士・弁護士が闇金に電話をかけ注意・停止を要求
(弱い闇金ならそれで手を引いてくれます) - 取り立てをやめない場合は弁護士が繰り返し注意
- 状況に合わせて闇金の口座凍結や警察との連携を行います。
基本的に、こちらから何かを行う必要はなく、司法書士・弁護士が全て対応してくれます。また解決後のアフターフォローまで丁寧に対応してくれる事務所もありますので、
最後に・・
闇金被害は、もはや生活に苦しむ債務者だけのものではありません。平穏に暮らしているあなたでさえ、いつどこから魔の手がやってくるかわからないのです。法律の専門家でないあなたにできることは事前に知識と相談先を確保しておくこと。正しい対応で闇金を撃退しましょう。