どうしてもお金が必要な時、大手消費者金融でお金を借りる方も少なくないでしょう。しかし、あまりにも多額の現金を借入してしまうと、多重債務者となってしまい、それ以上融資を受けることができなくなります。
また、債務整理や任意整理、自己破産など、長期に渡って融資受けることができない、「ブラック」状態になると、闇金しか方法がなくなります。
しかし、闇金は違法性のある業者。使ってはいけません。しかし、闇金を使わないためには、闇金業界について少しだけでも知っておく必要があります。ここでは、闇金の専門用語を紹介します。ぜひ、覚えておいてください。
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闇金の専門用語(隠語)
各職業には、それぞれ隠語というものが存在しています。
例えば、デパートなどではお客さまが常にいる状態ですので、お手洗いや休憩、万引き発見など、聞かれては問題になります。
そのため、1番、4番、10番などの隠語を利用して仲間内だけで分かるようにしておくわけです。闇金もこれらと同様に隠語が存在し、それらを使って悪徳な商売を続けています。
ぜひ、覚えておきましょう。
・金利に関する用語
闇金と言えば、まず何と言ってもその法外な金利です。貸金法など一切関係なく、闇金ルールで定められているその金利に、多くの顧客が苦しんでいます。まず最初に、この金利における専門用語をチェックしていきましょう。
- アケイチ
アケイチは、利息が1日で1割増えることを指しています。
アケイチという言葉でいますが、アスイチという隠語も同義語として捉えられているので覚えておきましょう。
ちなみに、明らかな違法金利であり、仮に年間を通して返済できない場合、実質年利やおよそ3650%。1万円を借りただけでも、利息で36万円を超える金額となります。10万円だったら…。本当に、恐ろしい世界です。
- ゴイチ
ゴイチは、アケイチに比べればまだマシですが、それでも利息が5日につき1割増加していく、という意味の隠語です。
実質年利は約730%を超えるため、ゴイチも明らかに違法金利です。
- トイチ
恐らく、闇金に関する隠語に中で最も知られている言葉ではないでしょうか。
前述してきたように、トイチはゴイチなどと同様に、利息が10日に1割という意味の言葉であり、多くの闇金がこの用語に則った商売をしています。
まだマシに感じてしまうのですが、これでも実質年利は約365%を超えるので立派な違法取引になります。注意しましょう。
- トサン
トイチのイチ部分がサンになっていますが、想像通りこちらは10日で3割利息が増えていく、というものです。こちらは、トイチよりさらに悪質ですので、結果的に実質年利は約1095%を超えてきます。
- トゴ
トイチ、トサンも悲惨な用語ですが、中にはトゴでお金を融資する闇金も存在しています。
これは、10日で5割利息が増加していく金利用語であり、実質年利はなんと約1825%を超えていきます。闇金によって人生が破綻してしまう方々は、こういった違法性の高い年利で長期間融資を受けていた、という方ばかりです。
これだけでも、闇金の恐ろしさが理解いただけたのではないでしょうか。
・対象者に対する用語
一般的な消費者金融では、借主を債務者とか利用者とか、その程度の呼び名で呼んでいるかもしれません。
しかし、借主…つまり対象者にも色々なタイプがいるため、闇金ではこういった人たちに向けた隠語も多く用意されています。どのようなものがあるので、ここで見ていきましょう。
- 飛ぶ/ジャンプ
飛ぶとかジャンプとか、これらの用語は闇金でも多く使われている用語になります。
これは、返済期日になっても返済をすることができず、仕方が無く利息分だけを支払う利用者に向けて使われている言葉です。
例えば、1万円を借入して返済が1万5千円だった場合、その金額が用意できないため、利息の5千円を支払う、というようなシステムです。
スキップともいいますが、これでは元金が1円も減っていかない状態ため、闇金としてはある意味で嬉しいシステムと言えるでしょう。
- エックス
エックスは、闇金用語の中でもやや恐ろしい意味合いを持つ言葉です。
エックスは、バツ。つまり、ダメという意味なのですが、融資した対象者が亡くなっている場合に使われています。取り立てをしにいったら亡くなっていた。
こういった場合に、エックスでした、という感じで利用されているようです。
- Kブラック
Kブラックは、返済やその取引内容、取り立て内容に違和感を感じて、警察を介入してきた対象者に使用されます。
Kブラックは、警察を使ったため「K」がつけられており、K駆け込みブラックは警察に駆け込んだ対象者に指して使われています。
このように、闇金間で情報を共有しやすいよう、作られた隠語だと考えられるのではないでしょうか。
- パンク
返済を続けてた対象者がもう、返済をすることができなくなっている状態。つまり、返済能力が無いという状態の時に利用されている用語です。
また、やや酷い言い方でありますが、返済能力が無い対象者を、“能ナシ”という用語で呼んでいることもあります。
このパンクは、返済できずパンクしてしまった…という意味で定められています。
- コケ、ゴケ
返済を続けていた対象者が、何らかの理由で返済が途中からできなくなった時、このコケという用語が適用されています。
返済を続けている最中に仕事が無くなったとか、多額のお金を使いきってしまって返済できなくなったとか、そういった状況になった対象者に使われています。
さらに、ゴケは支払いが途中でできなくなった、という意味では一緒であり、そのことを焦げ付いた、という意味でゴケと呼んでいます。
- IBブラック
闇金にとって最も面倒で恐ろしい存在の対象者を、IBブラックといいます。IBブラックは、一般弁護士の頭文字をとっただけの単純な用語ですが、一度も返済せずに借りた後に弁護士を介入させた対象者に向けて利用される用語です。
そのほか、返済を続けていたが途中から弁護士を介入させてくる対象者は、Bブラックと呼んでいます。
・手法に対する用語
さて、ここまでは金利と対象者についての隠語を解説してきました。ここからは、闇金の手法に関する用語をいくつか紹介していきます。
闇金には、さまざまな手法が存在しており、そのどれもが恐ろしい意味を持ちます。早速、いってみましょう。
- ソフト闇金
一般的な闇金のような、強烈な利息を取ったり、強引な押し貸し、取り立てを行わない闇金をソフト闇金と呼んでいます。
一般的に、利息は低めであり、表向きは一般的な消費者金融などと変わらない取引を行っているように見せています。
しかし、無登録であったり、結果違法性のある金利を搾取するなど、違法取引を行っていることには間違いありませんので注意が必要です。
- 押し貸し
押し貸しは、対象者側がお金を融資してもらいたい、という意志が無いのにもかかわらず無理やり融資してくる行為を指しています。
例えば、ネットでの申込で先に口座番号を教えたり、電話で先に伝えているとこちらの最終判断も聞かずに先に振り込んでしまい、そこからすでに取引をスタートさせるという悪意のある取引です。
また、どこにも連絡をしていないのに、ある日急に振込があるケースも存在します。
この場合、闇金同士で口座の情報共有がなされており、勝手にお金が振り込まれた後に、「困っていると聞きましたので、お振込させていただきました」と、無理に貸付けてくる行為も押し貸しの一種です。
- 追い出し(追い貸し)
追い出し、または追い貸しなどと呼ばれている用語です。ひじょうに悪意のある行為の用語として知られています。
追い出しは、返済日に返済ができそうにない、という対象者に追加融資を行い、結果的に返済をしたかのように操作する方法です。
元金だけが増加していき、最終的に取り返しのつかない借金まみれにしてしまう、という手法ですので注意してください。
- 現和
現和は、現金で和解した、という意味の隠語です。もろもろ揉めたところに、結果現金の支払いにより和解というカタチで終止符を打った、ということを意味していますが、一方で元和というものもあります。こちらは、元金の支払いで和解を行った、という意味です。
- 出し子
出し子は、利用者が振込を行った分の現金をATMで出す人のことを指しています。
ATMに被害者が振り込んだお金を出してしまうと、動かぬ証拠として捉えられてしまいます。
そのため、出し子を利用することにより、違法性のある取引を行っている現場を押さえられても、その人が口を割らない限り見つかることはありません。
出し子には、詳細を明かさずに、さまざまな人を介して出し子を雇うことが多く、出し子自身も一切意味が分からず行っている場合が多く見受けられています。
- キリトリ
キリトリとは、闇金の隠語の中でも大変恐ろしい用語のひとつとして知られています。キリトリは、返済が遅れておりなかなか返済しない対象者などに、脅迫や恫喝を行って取り立てを行う行為をさしています。
返済ができない、連絡が取れない、こっそり引っ越したり電話番号を変えて逃げ続ける。こういった人たちに向けて、キリトリを行うことが多くあります。
キリトリは、完全な違法行為にあたりますが、あまりにも悲惨なことをしてくるため、対象者が屈服しやすく雲隠れしてしまうケースが多々見受けられます。
- 日掛け金業者
闇金ではなく、独特な取引を行うのが日掛け金業者です。年54%を超える金利帯での営業が許可されているもので、日賦貸金業者が正式名称です。
小規模業者に貸付けを行い、返済期間は100日以上、そして返済期間の半分以上の日数を業者が自ら集金に来る、という条件があります。
闇金とはまた別ですが、高い金利での取引となるため、トラブルも多く発生しやすい業者です。
隠語で表現されるものは違法行為が多い
前述したように、闇金にはさまざまな用語が存在しています。しかし、アケイチやトイチ、トゴ、キリトリ、出し子など、違法性が高い取引に関しての用語が多く見受けられたのではないでしょうか。
ほかの人たちに聞かれては困る、というニュアンスの言葉が隠語になりやすいのですが、闇金の「他に聞かれた困る」という言葉は、ほぼ違法性のある行為です。そのため、闇金の隠語を知っておくだけでも、どれだけ危険な取引を行っている業者なのかが把握できるはずです。
これら、さまざまな隠語を紹介してきましたが、ほかにも無数に闇金用語は存在しており、目を疑いたくなるような文言も少なくありません。闇金は違法性の高い業者ですので、必ず利用しないように注意しておきましょう。
関与してしまった時の対処法
さて、危険だと分かっていても現金欲しさに利用してしまった、という方もいるでしょう。そんな時、じっくり違法業者か見極めるのではなく、早急に対応を行うことをおすすめします。
闇金の返済義務がないワケ
そもそも、闇金は「不法原因給付」と呼ばれる、不法な原因に基づいて行われた給付の対象となります。不法原因給付によって受け取ったお金は返済義務が無く、法律上では利子だけではなく元金も返済する必要は一切ないのです。
闇金に関与してしまった場合、いち早く弁護士に相談することをおすすめします。弁護士を介入させる対象者を、IBブラックとか、Bブラックなどと呼んでいる、ということですが、弁護士を介入させることで、その取引が解決した後も狙われにくくなります。
闇金は、一度で利用した人たちの顧客情報をグループはもちろん、名簿屋などに売りつけている可能性が高くあります。
そのため、こちらから一切申込みも問合せをしたことがない状態でも、不明な業者から電話がかかってくるのです。Bブラックである、ということが分かれば、闇金に取っては危険な存在の対象者となるため狙われにくくなり、一石二鳥というわけです。
もちろん、重要なことは相談は闇金対策に強い弁護士を利用する、ということです。少しでも関与してしまったら、即座に闇金に強い弁護士を頼るようにしましょう。
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最後に…
闇金は危険だ、ということは何年も前から言われていることです。しかし、まだまだ闇金の数が減少することもなく、利用者も減っていきません。
今回のように、用語を知っておくだけでも、どれだけ危険な業者なのかがお分かりいただけたはずです。闇金は危険。ぜひ、この事実をしっかりと心に刻み込んでおいてください。