最近、テレビのコマーシャルなどを見ていると過払い金について紹介しているのを目にします。では、この過払い金と言うのはどのようなモノでなぜ発生するのでしょうか。過払い金の対象やその条件など過払い金について詳しくお伝えします。
Contents
■過払い金とは
過払い金とは、業者からお金を借りて返済をしているとお金を借りている債務者は決まった額を毎月返済します。どの業者も決まった利率があります。それは業者によって違いますが、借りる業者によっては法律で決まっている金利を超えている利息で貸している可能性があります。
例えば、上限利率は、10万円未満であれば20%、10万円以上100万円未満であれば18%、100万円以上であれば15%と決まっています。これ以上の利率を請求されているとすると、本来であれば払う必要のないお金を払っているということになります。これが過払い金ということです。この過払い金があるということは、長期間返済し続けて本当であれば返済は終わっているはずなのにまだ支払っていたリ、払いすぎているので払う必要のないお金があったりするということなので、その払いすぎているお金を返還してもらえます。このことで、支払い残高が減ったり払う必要がなかったり払い過ぎていたお金が返ってきたりします。
■過払い金請求の対象
過払い金が発生するのは借金をした時ですが、業者からキャッシュでお金を借りるということを最初に思いつくのではないでしょうか。その他にも、ショッピング枠でクレジットカードを使ったり、リボ払いにしたりとローンにするだけでも借金となります。では、全てに対して過払い金があれば過払い金を請求することができるのでしょうか。過払い金請求は、誰でもどのような状況でもできると言うわけではありません。対象があります。過払い金請求ができる対象の人は、次の通りです。
○グレーゾーン金利で借りた人
先程、業者の利率の範囲は決まっていると説明しました。ですが、この利率は年によって変更されています。それによって新しい上限金利になった時の金利と古い金利の上限の間であるグレーゾーン金利でお金を借りた人は過払い金になっている可能性が高いと言えます。
グレーゾーン金利は、借金をした額によって違います。借金額が10万円以下であれば20%以上、借金額が10万円~100万円未満であれば18%以上、100万円以上であれば15%以上がグレーゾーン金利です。ですが、グレーゾーン金利で借りているからと言って必ずしも過払い金があるとは限りません。グレーゾーン金利で借りていた期間や借り方、返し方などによっては過払い金がない場合もあります。
○完済している人
完済していると言う人も10年以内であれば、過払い請求の対象者となることがあります。過払い金があるのかどうかは、専門である弁護士に相談することで調べてくれます。完済して明細表もなくなったと言う場合でも調べてくれるので相談をしてみましょう。
これらの対象は、クレジットカードローンやアコムやアイフルなどの業者から借りたモノであれば可能性があります。ですが、銀行ローンや住宅ローンはグレーゾーン金利で貸付をしていないので過払い金が発生することはありません。
■過払い金請求の条件
過払い金請求の条件としては、借金を返済している人の場合には2007年~2008年よりも前に借金をしたことがある人は過払い金請求ができる可能性があります。ただ、先ほども紹介したように最後の取引から10年という時効があるので注意が必要です。時効を過ぎていたリ、業者が倒産したりしているといくら過払い金があっても取り戻せません。
また、借金を返済中の人であれば2007年~2008年よりも前から借金を返済していると過払い金がある可能性があります。返済中であれば過払い金が残高に充てることができます。残高よりも多ければ手元に戻りますがなければ残高が減るだけです。ただ、気をつけなくてはいけないことは、過払い金で残高がなくならなければ借金を減らすだけなので債務整理をしたということになります。つまり、ブラックリストに載ってしまうということです。ブラックリストに載ってしまうと、新しく借金をしたりクレジットカードなどが作れなくなります。
■過払い金の対象外
過払い金は、どのような借金でも請求できるのかと言えばそうではありません。対象外となるモノがあります。それはクレジットカードのリボ払いの場合や銀行ローンなどの場合です。クレジットカードには、知っている人も多いようにショッピング枠とキャッシング枠の2種類あります。両方で契約した人もいればどちらかで契約した人もいるのではないでしょうか。審査自体はどちらも同じです。何が違うのかと言うと、次の通りです。
○ショッピング枠
ショッピング枠と言うのは、カードを使い買い物をすることができます。ただ、使える場所は決まっているので現金で支払わなくてはいけない時には使えません。使った後の支払いは一括で払う方法とリボ払いで後から支払う方法があります。
○キャッシング枠
キャッシング枠は、カードを使って現金を出すことができます。決まった範囲内であればいくらでも出すことができ、現金で好きなモノに使うことができます。
使った後の支払い方法は、ショッピング枠と同じで後から一括で払うかリボ払いで決まった額を毎月払うかを決めることができます。このカードを利用してショッピング枠でリボ払いをしている場合には、対象外です。毎月少額で払っており、明細表を見ても元金よりも利息を多く払っているようになっているし長期間支払っているのに、なぜ過払い金になっていないのか不思議に思う人もいるでしょう。
実は、利息だと思っていたモノは利息ではなく手数料なのです。なので、対象外となります。同じクレジットカードでも、キャッシング枠でリボ払いをしている場合は金利が18.0%以上であれば過払い金請求ができます。
■過払い金請求のデメリットや注意すること
過払い金請求をする上で、知っておかなくてはいけないことがあります。それは、過払い金があれば返還されるというメリットや人には知られたくないと言う人は過払い金請求を誰にも知られずに請求することができるなどの良いことばかりではないということです。デメリットや注意することがあります。それは、郵便物が自宅に届くということです。ということは、本人以外が見て開けてしまうとバレてしまいます。秘密にしたいのであれば、郵便物の届く場所を変えておかなくてはいけません。その他にも、自分の力だけでは過払い金を調べることが難しいということです。過払い金があるかもしれないと、借金をしている多くの人は思ってしまいます。利率が合っているのかも、素人ではわかりません。
払わなくてはいけないのだと諦めて、言われるがままに払っていると言う人もいるかもしれません。ですがやろうと思えば、過払い金を調べて返還請求までできます。自分の力ですると言うことは専門的な知識から学ばなくてはいけません。書類を作成したり、裁判所も自分で行ったりしなくてはいけません。裁判所は平日しか開いていないので、仕事をしている人は何度も休んで裁判所に出向いていかなくてはいけません。このように時間や労力、精神力などが必要となります。
正しい知識や対応力がなければ、業者に対応してもらえなかったりうまくいかないということが起こってしまいます。また、うまくいったとしても、2~3か月と時間がかかります。また、1人でできないということは、専門家に頼まなくてはいけないということです。ということは、頼むことで成功報酬などの費用がかかってしまいます。前までは、過払い金を請求した人は借金の残高があるなしに関係なく、ブラックリストに載ると言うことがありました。そのことから、過払い金を請求する人は少なかったです。
ですが、最近では過払い金が注目されるようになり気にしている人も多く、過払い金で手元に戻ってきた場合にはブラックリストに載ることはなくなったので過払い金請求することは、デメリットではなくなりました。そんな過払い金ですが、何年もたっているけれど請求できるのかと言えばそんなことはありません。時効が決まっています。
この時効は借金を完済してから10年です。10年を過ぎると、過払い金の請求ができなくなるので、過払い金があるのかどうか請求をするかどうかを調べたり決めたりするのであれば、早めに行動した方が良いです。
■弁護士に頼んで過払い金請求
過払い金があるかどうかを調べるための方法があります。その調べ方は、利息制限法によって引き出し計算をする方法です。やり方としては、次の通りです。
・請求先の業者から取引履歴を取り寄せる
・取引履歴を見ながら計算をする
単純なように見えますが、履歴を見て上限金利である15~20%以上の金利で取引していたモノを上限金利である15~20%の金利にして計算をしなくてはいけません。この計算ができれば、支払った金額と払いすぎる金額の差を出すことができます。計算は、同じ業者から何度も借りていたリ完済したりしていると複雑で計算が難しいです。現在の金利は、借りる金額によって変わりますがアコムやアイフル、プロミスなどの業者の場合100万円以内であれば、18~17%であることが多く100万円よりも高額借りていると、3~4%の金利で借りることができます。
過払い金請求を、弁護士に頼むとして気になるのは費用です。いくら過払い金が返還されると言っても、もしも弁護士費用だけでなくなってしまったりマイナスになってしまったりしまえば過払い金請求をした意味がないと思ってしまいます。調べて見ても、弁護士によって相談費や着手金、報酬金、手数料、実費など様々な費用がかかってしまう事務所があります。
事務所によって違うので相場ははっきりとは言えませんが、探すと着手金や相談料は無料でしてくれる場所や報酬金が安い場所などあります。1か所だけを見て決めるのではなく、比較して決め損をしないようにしなくてはいけません。とは言え、自分で計算することは難しいこともあるので専門家である弁護士に相談しましょう。
■代理で過払い金請求できるのか
過払い金請求ができるのは本人だけなのか、気になる人もいるのではないでしょうか。例えば、家族が過払い金請求をするのに仕事を休めなかったり、年老いた父母に代わってしてあげたいと言う人や友達の過払い金請求を手伝ってあげたいと言う人などがいるかもしれません。基本的には、代理人になれるのは弁護士です。ですが、簡易裁判所で140万円までの過払い金請求であれば司法書士にも代理人を頼むことができます。また、裁判所の許可があれば一般の人が代理人になることができます。
■最後に・・・
過払い金請求についてわかったでしょうか。借金をしていた人や今借金をしている人は、過払い金を請求することによってお金が返ってきたり借金が減ったりします。ですが、誰にでも過払い金が請求できると言うわけでもありません。過払い金があるのかどうかは、調べて見なくてはわかりません。また、調べ方も法律家に頼むことで費用がかかってしまうと言うデメリットはありますが、過払い金がある場合には確実に返還請求をすることができるので、対象や条件などを理解した上で早めに相談をしてみましょう。