この世の中、さまざまな手続きをするためには“身分証明証”が必須です。家を借りる、住民票を取る、何かの試験を受けるなど、何かにつけて身分証明証の提示を求められます。
さて、そんな身分証明証なのですが、代表的なものが、運転免許証や保険証などでしょう。仮に、これらの個人情報が流出してしまった場合、ヤミ金業者の手に渡った場合はどうなってしまうのでしょうか。
もちろん、何も無く終わることはなく、悪用されることも十分に考えられます。今回、ここではヤミ金業者に個人情報が流出してしまった場合の対象法を紹介します。ぜひ、確認してみてください。
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他人の情報で闇金を利用できるのか?
さて、そもその話ですが、ヤミ金を利用する場合は他人の個人情報で借りられてしまうのでしょうか。
他人の情報であっても借りれてしまう場合がある
情報ヤミ金でお金を借りてしまった自分の経験、さらには同様の経験をしたことのある知り合いの話をまとめると、ヤミ金でお金を借りるためにも個人情報を伝える必要はあります。
当たり前ですが、相手側が追い込むことができなければ、相手に貸す意味はありません。大手消費者金融とヤミ金では、前者の方が細かなことを聞かれるのですが、その理由は、“融資対象となり得るのか?”という審査をするためです。
勤続年数や正社員かアルバイト、派遣社員か。年収はいくら、家族がいたり持ち家でローンがあるのか…などなど、とにかく返済能力があるかないかを調べるため、こういった個人情報を申込時には提示しなければなりません。
一方、ヤミ金側は精神的に借主を追いつめるために、こういった情報を聞き出したいだけです。逆にいうと、個人情報を知れば知るほど、ヤミ金側にとっては優位になるわけです。
どんな情報が求められるのか?
では、個人的な経験を生かしながら、ヤミ金に実際に申込んだ、というテイで必要書類を確認していきます。
まず、ヤミ金は直接店鋪へ訪れることができるのは稀なので、ほとんど電話対応です。メールなどでやり取りをする場合もあるでしょうが、結果的に“お電話くだいさい!”と言われてしまい、そこに電話をするハメとなります。
何故借りたいのか、そしていくらほど借りたいのかなど、一般的なことを聞かれます。そして、申込ということで、名前と電話番号を聞かれます。個人的な経験からは、ここで審査通過できるか後で電話すると言われ、一旦電話を切ることとなります。
その後、電話で「10万円の枠がありますが、まずは3万円から…」など、こういった少額融資の話をもちかけられ、次に身分証明証の提示を求められます。
今では、EメールやLINEなどでしょうが、FAXで免許証、保険証のコピーを送ってほしいと言われます。
もちろん、勤め先や親族などの連絡先も聞かれ、メモされたり、自ら打ち込んでメールやフォームから送ることになります。ヤミ金の場合、基本的には一般的な身分証明証が必要書類となるので、細かなものは不要です。
悪用されてしまう証明書とその対処法
さて、昔は身分証明証といえば、運転免許証だったかもしれませんが、今では数多くの身分証明証が存在しています。
免許証、保険証、住基カード、マイナンバーカードなど、さまざまです。ということで悪用されるケースとその対処法について、考えていきましょう。
免許証
定番の身分証明証としてお伝えしたのが、運転免許証です。運転免許証は、最もわかりやすい個人情報が記載されており、悪用するヤミ金側とすれば大好物としか言いようがありません。
運転免許証のマズいところは、顔写真付であるために、これ1枚でさまざまな契約ができてしまう、というところです。
本来、JICCやCICなど、信用情報機関などにはさまざまな情報が記載されており、家族の電話番号や勤務先など、多種多様な情報が記載れていますので、大手消費者金融やクレカの申込で少しでも違和感が合った場合、審査ではじかれますし問題とされます。
しかし、ヤミ金の場合は相手も顔を合わせことや、勤務先の電話番号や適当な家族の番号さえわかれば良いので、顔写真付の運転免許証1枚で借りられてしまうことがあります。当然、紛失主が借りたことにされてしまえば、架空請求がやってきます。
主な対処法
紛失届けを出すことと、警察への遺失届、そして信用情報機関への申告です。ヤミ金とすれば、有効期限が過ぎてようと何だろうと、形として残したいだけですので、利用をストップしても意味がありません。そのため、警察を絡ませるのです。
保険証
健康保険証は今はカードタイプとなっており、紛失しやすくなっていることは間違いありません。
とはいえ、こういった健康保険証なのですが、顔写真付のタイプは存在していませんので、一般的にはローンを組むことは困難と考えられます。しかし、問題は住所が記載してある、という部分です。
当然、世の中には顔写真付の身分証明証を持たない人だっています。そういった時、普通は住民票などを取得しなければいけませんが、ヤミ金は「別にいいですよ」と行ってくる可能性もあるわけです。
主な対処法
面倒ですが市区町村の市役所・役場への再発行の申請、そして社会保険は会社の総務、健康保険証の番号を変化させるということもテクニックのひとつです。
こちらも、できることであれば即座に警察に届け出た方が良いでしょう。
住基カード(住民票)
住基カードは、顔写真付のものと、そうでないものが存在しています。住基カードや住民票などは、本人確認書類としては有効ではありますが、顔写真がついていない場合、複数の個人情報記載書類を求められるのが、一般的です。
悪用されるケースとしては、やはり住所が記載されているので、架空請求がきたり身に覚えの無い請求書などが届く、といったところでしょう。
また、住民票に関しては、本籍まで記載されたものを紛失すると、実家など家族への被害も考えられます。
主な対処法
紛失届を警察に提出することはもちろん、信用情報機関に紛失の旨を伝えることができれば、該当する書類での申込は受け付けない、ということにしてくれます。(登録料などの費用がかかってきます。)
マイナンバー
近頃では、運転免許証などではなく、マイナンバーカードを身分証明証として使用している方が増えています。
マイナンバーカードに関して、悪用されるケースとすれば、前述してきたものと全く一緒と言ってよいでしょう。
ただし、問題はマイナンバーカードは、さまざまな手続きを番号だけで済ますことを目的につくられたものですので、銀行口座なども調べることができる可能性がある、ということです。
例えば、口座番号などを忘れてしまったとしても、手元にマイナンバーカードがあるとすれば、そこに書いてある個人情報で本人確認が済み、さらには番号で教えてもらえてしまうことも考えられます。
また、マイナンバーはパスポート、確定申告までもできてしまうため、放置しておくと甚大な被害を被る可能性が高いのです。
主な対処法
マイナンバーカードを紛失した場合、即時市町村の区役所、市役所、役場に連絡を入れることです。また、被害にあってからでは対応が遅れる可能性があるため、いち早く警察へと紛失届を提出することでしょう。
まずは紛失届を提出
基本的に、個人情報が記載してあるものであれば、何だろうが考えられる被害は変わりません。そして、使用をストップさせるのは当然ではありますが、ヤミ金に関してはそれが使えるか否かは、殆ど関係ないでしょう。
個人的な意見ではありますが、ヤミ金自体が悪質な取引をする違反業者です。相手が誰であろうと、法外な金利を貪れるだけ貪れれば良いのです。
「再発行までに使用をストップしたから、ダイジョウブ」と安心していると、架空請求が届いてびっくり、ということも少なからず起こることは想定しておきましょう。
そういった時のために、まずは警察に紛失届を提出しておくのです。何あってからでも、被害があった、ということを証明できてコトが早く進むのです。
実際に見覚えのない請求がきた場合、払う必要はあるの?
仮に、身に覚えの無い請求などがヤミ金側が届いた場合、どうすれば良いでしょうか。
払う必要は無し!
基本的には、身に覚えの無い借金の請求にお金を払う必要はありません。当たり前ですが、自分で借りたわけではないですし、前述した通り、使用停止を事前にしていたとか、紛失届をしていたなど、そういった証拠さえあれば何ら問題なく解決します。そうでない場合も、警察や法律事務所に相談することで、スムーズに解決してくれるので安心してください。
裁判所名義で来た場合
例えば、ヤミ金から不正で借りたとなれば、滞納するわけですからまずは電話がかかってきます。そして、何のことを言っているのか、わかりませんが…と、言っても「借りたのはアンタだ。しらばっくれるな!」と、いって恫喝してきます。
本来、直ぐに被害届を出すべきでしょうが、それでも無視していた場合、困ったことに裁判所経由で請求をしてくる、という場合も少なからずあります。
実際、起訴されてしまったとしたら、支払い義務が生じてしまうことになったり、裁判が長引いたりするので注意です。それら情報に信頼性はあるか徹底的に調べ、仮にそうだとしたら弁護士など、然るべきところに即時相談すべきです。
基本、ヤミ金側は個人情報を手に入れたら、それを利用してあの手この手で通知書などを送ってくるのですが、個人的な計家院則からも、弁護士や司法書士に連絡して、解決してもらいましょう。
ストレスなく対処する方法
様々な事例を紹介しましたが、具体的にどのように対応すれば、問題なく解決するのでしょうか?
やはり専門機関(警察や弁護士、行政書士)へいち早く相談するのがいいでしょう。
警察は介入できないケースがある
恐らく、闇金関連の事案で嫌がらせを受けた場合、警察へ通報するという手段を考える方が多いかもしれません。
闇金は違法性の高い取引をしていますし、脅迫罪が成り立つようなところまで嫌がらせを受けていれば警察が助けてくれる、と考えるのも無理はありません。
しかし、闇金の嫌がらせへの対処法として警察はあまりよい選択とは言えません。世の中の悪を取り締まり、市民の安全な暮らしを守ることが警察の勤めではありますが、場合によっては警察は動いてくれないことがあります。それが、警察は「民事不介入」であるということです。
例えば、アナタとパートナー、親が口喧嘩したとしましょう。相手が、こちらに罵声を浴びせてきたり、過去の何らかの失敗を揶揄してきて涙を流すほど悔しかったとしましょう。さらに、プライドを傷つけられたともします。しかし、これを警察に相談して言った相手を逮捕・起訴してもらえるでしょうか。
基本的に、これは民事です。闇金も、場合によっては警察は民事とみなすため、“そちらで解決してくださいね”という対応で返されてしまうのです。家を壊された、家族が傷つけられた、自分が身体的に攻撃を受けた。事件性がない限り、なかなか警察は動いてくれません。
中には両親的な警察もおり、闇金に忠告をしてくれる場合もありますが、闇金側に支払ったお金であったり、相手の請求を止めることはできません。あくまで注意なのです。
ベストなのは弁護士に相談
闇金からの脅迫を受けた際、相談すべきは弁護士です。
まず、闇金自体の取引、取り立てが違法性があるのかを判断できるのは弁護士などの法律家。闇金側も違法性がある取引ということは十分わかって金を貸していることから、弁護士の理論だった攻撃に太刀打ちすることはありません。当然、違法性があることで立件されてしまえば、裁判となりますし、慰謝料などを請求することができます。
さらに嫌がらせまでやっていれば、損害賠償も取ることができるでしょう。闇金側もそこまで面倒なことはしたくないため、弁護士が介入した途端に去っていくわけです。
どんな弁護士に依頼すればいいの?
闇金対策には、弁護士を利用することが一番であることをお伝えしました。
しかし、弁護士と一口にいってもその種類は数多く、どんな弁護士に相談すれば闇金の脅迫問題を解決できるかわからない方も多いでしょう。一体、闇金の脅威から逃げるためにはどんな弁護士に頼めばよいのでしょうか。
自分の状況にあった事務所へ依頼
今回、主題となっているのは「闇金に脅迫されて困っている」という状況です。
つまり弁護士に相談する場合、ここでは闇金の取り立てに困っていること、闇金の取り立てや返済をストップさせることが目的です。(支払ったお金を取り戻すということも目的のひとつ)
こうなった場合、殺人事件に強い弁護士だったり、土地の売買、株取引などに特化した弁護士は畑違いということになるでしょう。闇金問題を取り扱っており、さらに闇金の取引を中止させた実績を数多く持っている弁護士に相談することが重要になります。
餅は餅屋、という言葉があるように、闇金対策は闇金と戦うことを目的としている弁護士に依頼することで問題が解決に向かうのです。
司法書士も対応は出来るけど・・・
闇金問題を解決する際、弁護士や司法書士に頼むべき…ということがよく言われます。確かに、司法書士も闇金に対応はできるのですが問題点があります。
それが、個別の債券額が140万円を超えていた場合、法律相談や交渉、基礎は司法書士は対応することができません。
さらに、140万以下のシチュエーションであっても認定司法書士以外はそれに対応することができません。
つまり、闇金から支払ってしまったお金を回収できるのは弁護士だけなのです。ここはぜひ、覚えておいてほしいポイントですね。
最後に・・・
個人情報の記載されている身分証明証を紛失した場合など、そういった時のためにさまざまな対処法をお伝えしてきました。ヤミ金は、個人情報さえわかれば良いわけですし、その個人情報までを売買している、とも言われています。
一度、僕自身もヤミ金から借りて以来、長きに渡り融資のご相談がさまざまなヤミ金業者から届きました。。
もちろん、無視で良いですが、身分証明証を無くしてしまいそこから、さまざまな連絡が来ている場合、直ぐに紛失届を提出し、然るべき場所へ相談してください。自分の身は自分で守る。これからの時代、ぜひ注意しながら人生を楽しんでくださいね。
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