どうしてもお金が必要になってしまい、ヤミ金でてしまった…。借りた場所がヤミ金だとわかった瞬間、恐怖で震えが止まらなくなってしまった、といういう方もいるでしょう。
なぜ、ヤミ金と耳にするだけで恐怖体験に結びつくのか、というと法外な金利でお金を搾取されると同時に、「執拗な嫌がらせ」や「取り立て」が行われるからでしょう。
特に、怖いのが嫌がらせです。一体、ヤミ金はなぜ嫌がらせをしてくるのでしょうか。今回、ここではヤミ金の取り立てや、回収の手口と解決策について解説していこうと思います。
Contents
嫌がらせをしながら、追い詰めて取り立てに来る
まず、ヤミ金がなぜ嫌がらせをしてくるのか、その事例と共に紹介していきましょう。
なぜ嫌がらせをするのか?
ヤミ金=嫌がらせ、という構図が何となく我々の中にはあります。しかし、そもそも論として、何で嫌がらせをしてくるのでしょうか。
細々とヤミ金業者によって理由はあるのですが、共通しているのは、「利用者を精神的に追いつめるため」です。そもそも、ヤミ金を借りてしまう方の特徴としては、金融業者に関する知識が無い、ということと、とにかくお金が欲しくて周囲が見えなくなっている、というパターンの二つです。
ヤミ金でお金を借りている方のほとんどが、大手消費者金融などでお金を借り過ぎた多重債務者で、どこからも審査がおりなくなったブラックですので、後者が半数以上を占めます。
つまり、知識は最低限持っているのにも関わらず、ヤミ金を利用するほど、切羽詰まっているわけです。
ヤミ金は、この借主の精神不安定な状況を利用するのが鉄則です。僕も、個人的な経験として、ブラックだったのですが、新しい彼女との旅行のために思わずヤミ金に申込してしまいました。
実際、理性が働く脳の部位が焦ってしまい働かず、冷静な判断ができなくなります。
借りた後も、「返済しないとヤバいことが起きる」と、追いつめることにより、本来は支払う必要が一切無いお金を巻き上げることができるのです。要するに、半分恐喝のようなもの、と理解しておけば良いでしょう。
嫌がらせの例
ヤミ金の嫌がらせですが、事例としてはやはり電話が多いと思われます。返済が遅れてしまった時などは、昼夜はもちろん、夜でも電話がきます。悪質なヤミ金は、夜中などにも電話をかけてくるので注意です。
そして、家族や親戚、職場への電話です。「アイツが返せないのであれば、お前らが返せ!」と、まるで関係ない人たちを恫喝するのです。
また、今はSNSなども発達していますし、会社のメールにまで個人名を出して嫌がらせしてくる事例もあるようです。
自宅への取り立ては少なくなったようですが、それでも平気で来るヤミ金はいますし、相手を精神的に追いつめられるのであれば、何でもする、というのがヤミ金なのです。
精神的に追い詰めて取り立てにくる
ヤミ金が精神的に追いつめる嫌がらせをしてくる、については理解いただけたと思います。では、実際にどういった手段で取り立てをしてくるのでしょうか。
恫喝
まず、初歩的な嫌がらせが電話ごしへの恐喝です。返済が送れる、といった途端に豹変する事例が多く、知り合いもこの被害にあっています。
「は?さすがに返済日を伸ばしすぎですよね?あ?聞こえてんのか、オラァ!」といった、怒号を電話越しに放ちます。
冷静に対処できる方であれば良いですが、女性や気の弱い男性はこれで精神的に追いつめられ、思わず大金を支払ってしまうのです。
身の回りの人たちへの取り立て
前述していますが、本人が取り合わないとわかると、ヤミ金は次の嫌がらせターゲットを借主の周囲の人たちに変更します。
親、兄弟、パートナー、職場、友人にまでも電話をします。当然、その嫌がらせ電話が来たことをそれらの人たちは本人に伝えるわけで、それが精神的ダメージになる、ということを良く知っているのです。
さらには、「アイツに、○○日までに支払わないと、どんな目に合うか、と伝えておいてくれ」など、伝言ゲームのようなやり方で取り立てて来る手口もあるようです。
他人の力を借りて取り立てする、という貧弱な発想ではありますが、ヤミ金というのはそういったことを平気でしてくる、危険な業者ということを理解しておいてください。
直接来る
減少している、と伝えはしましたが、ヤミ金業者は取り立てを直接自宅にまで来てする手口を忘れたわけではありません。
精神的に効く取り立て方法としては、大声でドアをどんどん叩くとか、近所の人に聞こえるように、名前、金額、期日を叫びながらドアを叩くなど、ドラマで見たようなことをされます。
実は、個人的にも昔住んでいたアパートに来られたことがあり、近所の人に、「何かダイジョウブ?昼間、なんか取り立てらしき人たちが来てましたよ?」と、声をかけられたことがあります。
「支払わなければマズい」という感情よりも、「周辺の人たちに迷惑がかかる」と、精神的に追いつめられたので、この方法はヤミ金はまだまだ続けることでしょう。
出前や通販
ここまでが、一般的に言われているヤミ金の嫌がらせを伴う取り立て方法ですが、ヤミ金の中には、別の取り立てをしてくる業者もあります。
債権譲渡などの手口もあるようですが、近頃案外増えているのが、通販です。後払いということで、名義を借主にして大量に通販し、その商品をヤミ金たちが売り飛ばして自分たちの金にし、最終的に大量の支払いを借主に請求するというものです。
レアなケースですが、ピザやそばの出前以上に回収ができる、ということでこういった被害もゼロではありません。
犯罪に巻き込まれる可能性がある
手口ヤミ金も、怒号を浴びせて取り立てをし続ける、ということだけが能ではありません。精神的に追いつめるためには、頭を使うべきだ、と考えている連中も少なからず存在します。
そういったヤミ金の手口は、「返済できなければ、携帯電話を契約してもらう」とか、銀行口座を譲渡してもらうなど、そういったことを要求します。
さもないと…と、精神的に追いつめられると、思わず、“これで助かるのであれば良いだろう”と、これらを承諾してしまうのです。
事実、銀行口座の譲渡などは、詐欺目的で使われることが多く、自らが詐欺罪と犯罪収益移転防止法で警察に逮捕されることもあります。精神的に追いつめられた結果、最後は犯罪に加担してしまう、という最悪のシナリオが待っているのです。
払う前に対処することが大切
このように、ヤミ金はあの手この手で、精神的に利用者を追いつめては、大金を支払わせようしむけてきます。
仮に、年利20.0%以内で利用しており、規約なども理解して契約を交わした大手消費者金融で、滞納を続けていれば、嫌がらせ云々で借主に返済義務が生じます。
相手としては、法律に違反した取引を無理矢理結ばせているわけではないので、こちらに非があると、裁判沙汰になっても判決が下るでしょう。
もちろん、嫌がらせが起こった場合は話は別ですが、基本返済すべきは利用者です。しかし、ヤミ金の場合は話が違ってきます。
トイチなど、10日で1割の利子を取るというのは、大犯罪です。詐欺グループにお金を奪われているだけですので、実は支払い義務は生じません。
嫌がらせが起こる云々の前に、そもそも存在自体、契約自体が違法なのです。特に、嫌がらせを受けて精神的に追いつめられたとしても、そこでお金を払ってしまう、ということだけは絶対にしてはなりません。
違法な取引の上、さらに嫌がらせという違法行為をしむけてきているわけですから、お金などで解決せずに、法律などで対応するのが賢い方法です。
僕自身、弁護士に相談したのですが、ヤミ金は個人でのやり取りでは徹底的にこちらを脅し続けます。プロに任せる、という方法こそが最善の策なのです。
相談は弁護士・司法書士にする
前述した通り、ヤミ金対策としては、弁護士や司法書士に相談する、ということが最もよい方法です。違法性のある取引であることは、ヤミ金も理解しています。
だからこそ、業務停止レベルに追い込まれるまで、徹底的にお金を稼ごうという算段なのです。要するに、弁護士・司法書士にすることで、ヤミ金側にメスが入り、負け戦になると時間の無駄なのでヤミ金は去っていくわけです。
警察に相談するケースは?
よく、ヤミ金被害にあったら警察に相談してください、という広告を見かけます。ただし、難しいのが警察は民事不介入であると言われ、対応してくれないこともあることです。交番や警察署に駆け込み、「ヤミ金に騙された!悔しいです!」と、叫んだところで、警察はなかなか動いてくれません。
警察署には、ヤミ金被害を相談する課があり、そこで相談をすることからスタートします。誰にいくら振り込んだのか、口座番号、電話番号、住所などわかること全てを羅列して、被害届を提出します。
そして、警察が確実に動くと思われるのは、実際に嫌がらせを受けた、というレベルである状態です。家族中に電話が来る、取り立てに来て怒号を浴びせる、会社に頼んでいないピザが届く、暴力事件など、実際に被害が発生している時に警察は動いてくれます。
もちろん、24時間365日自分のために警察は動けません。そのため、実際に被害者となったことを証明できることが、警察が動いてくれる前提となりそうです。
最後に・・・
ここまで、ヤミ金による嫌がらせについての事例、解決策などについてをお伝えしてきました。
個人的に、ヤミ金の仕事は利用者に嫌がらせをして、相手を精神的に追いつめることだと思っています。
そもそも違法性の高い取引であることからして、相手には罪の意識がなく、嫌がらせに関しても罪の意識など1ミリも感じていません。
酷い!人でなし!地獄へ落ちろ!と、こちら側が叫んだとしても、ヤミ金は人の心を持っている連中ではありません。感情的にならず、まずは冷静になり、然るべき場所に相談して対処していくことこそ、賢い選択なのではないでしょうか。