とにかく恐ろしい金融業者、ヤミ金。違法な金利で取り立てをしてくることで、多くの借主が元金の数倍の金額を支払っている、という無視することができない状況が続いています。
国をはじめ、多くの場所で対策が打たれているのですが、ヤミ金側もそれを嘲笑うかのように、あの手この手で新たな詐欺の手口を考えては、被害者を増加させている現状です。
そんな時、役に立つのが弁護士や司法書士なのですが、ヤミ金対策をした後の信用情報に不安を抱えている方もいるようです。今回、ここではヤミ金問題を解決する上で信用情報にはどのような影響があるのか、それらをチェックしていきましょう。
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ブラックリストの定義と仕組み
まず、信用情報とはどういった内容のものなのか、そこから知る必要があります。そして、その信用情報に傷がつくことをブラックリストに載るというわけですが、一体ブラックリストとは何なのでしょうか。
ブラックリスト(官報)の仕組み
ブラックリストとは、簡単に説明すると個人信用情報において、遅延情報や金銭に関する事故情報などが登録されている、という状態を差します。
個人信用情報というのは、お金を借りたりローンを組む際にチェックされる、名前や住所、生年月日、その他もろもろ、個人の情報です。
もちろん、そういった基本的な個人情報だけではなく、他にどんな場所でお金をいくら借りているのか、借金総額はいくらなのか…など、個人間貸し借りではない公的なローンやキャッシングの一切の情報が入っている、という場所です。
また、「官報」なるものがあるのですが、これは毎日のように国が発行している、「自己破産者」や「個人再生」などをした方のリストです。自己破産をしたらもちろん、債務整理をした場合などに掲載される可能性はあります。
ただし、官報に関してはヤミ金であったり、特定の人しかチェックをしていないことからも、友人や親、さらにはパートナーなどがそれら類いの仕事をしていない限りは、わかる方が稀でしょう。
対象となる機関
個人的に、債務整理を経験しているので、経験則からお伝えしますが、ブラックリストに載るとどういった場所が対象機関になるのか、ということです。
まず、個人信用情報なのですが、大きく分けて3つの信用情報機関にわかれています。株式会社日本信用情報機構(以下、JICC)、株式会社シー・アイ・シー(以下 、CIC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC、以下)の3つです。債務整理などをはじめとした事故情報の記載は、実はこれら機関によっても大きく変わってきます。
例えば、ヤミ金で自己破産をした場合は3つ全ての機関に掲載されてしまいます。JICCとCICはおよそ5年間、そしてKSCは10年間は掲載されていると思ってよいでしょう。
そして、特殊なのがCICです。CICの場合は、個人再生や任意整理をした場合は掲載されません。JICCやKSCは双方に掲載されるのですが、任意整理については特に登録する区分は無いとされています。
つまり、ブラックリストに載った場合、一番割を食うのはJICCの区分であり、消費者金融などのキャッシング、クレジットカードなどを申込しても、事故者と認識されてお金を借りられないのです。僕個人の経験ですが、やはりどんなに困っても、そういった類いのところからは融資を断られてしまい、悩んだことがありますね。
ヤミ金はブラックリストの対象外
債務整理や個人再生など、こういった内容でブラックリストに登録されるだけではなく、滞納をすることでもブラックリストに掲載されることがあります。
さらに、審査落ちしているのにも関わらず、さまざまな消費者金融で申込をしていると、申込ブラックなどといって、一定期間審査が通過しない事例もあります。
では、ヤミ金を借りている場合、コレ自体はブラックリストに掲載されてしまうのでしょうか。
ヤミ金が対象外な理由
覚えておくべきは、ヤミ金はブラックと関係がない、ということです。その理由は、ヤミ金が個人信用情報機関と結託している、ということではなく、ヤミ金自体がそもそも違法性のある金融業者だからです。
と、いうか個人的な意見を言わせてもらうと、あそこは業者ではなくただの、押し貸しグループと考えた方が良いでしょう。つまり、公的に金融業者として登録をしていないことからも、存在していない状態と一緒なのです。
例えばですが、特に登録をしていない野球チームをアナタがつくったとして、そこに所属したとします。
しかし、適当につくった野球チームで履歴書などに、そのチームに所属している、ということを掲載しても認められません。逆に、誰もが知っているプロ野球チームに所属していたのであれば、それは堂々とプロ野球選手と掲載できるでしょう。
つまり、名ばかりの金融業者であって、公的には認められておらず、借すこと、借りていることも、全て個人間のやり取りという状態になるわけです。
ヤミ金解決後、ローンやカードの審査について
ヤミ金は正式な消費者金融では無い、ということを知りながらも、思わず借りてしまっている方が多く、結果的にどうにもならないので弁護士に相談する、ということになります。
最も正しい選択ではありますが、このヤミ金問題が解決した場合、その後にブラックリストに掲載されたら、ローンなどはどうなってしまうのでしょうか。
債務整理後のローン事情
そもそも、ローンなどができない、ということはどういったことなのかも、改めて考え直す必要があるでしょう。
仮に、任意整理した場合ですが、前述した通り5年間はJICCやKSCにブラックリストとして掲載されてしまいます。この機関は、事故者でありそういった人たちに融資をしないように、という厳しい決まりがあるので、消費者金融などは借りれません。
さらに、クレジットカードなどがつくれない、ということだけではなく、賃貸を借りられないこともあるので注意です。
保証会社に審査落ち
債務整理、任意整理、個人再生などでブラックとなった場合、保証会社での審査にも落ちてしまうことがあります。
もちろん、多重債務者として掲載されていて、です。賃貸を借りる場合、多くは保証会社を経由して賃貸契約に許可が下るわけですが、その保証会社がクレジットカード会社の場合が多々あります。
まったく、クレジットカードなどをかすっていない場所であれば、審査通過しますが、クレジットカードだとJICCなどの信用情報機関をチェックされてしまうので、契約することができないのです。
このように、信用情報機関にブラックリストとして掲載されてしまうと、今後の生活が厄介になることは間違いありません。
個人的にも、いくつか審査に落ちてしまったことがありますし、良いことではあるのですが、ローンが組めないことがあるので、ここ日本では生活しにくい、といっても過言ではないでしょう。
解決後に与える影響
さて、ブラックリストによる影響をお伝えしてきましたが、こういったデメリットがあるとヤミ金解決が億劫になってしまう、という方もいるかもしれません。
しかし、ヤミ金に関しては少し事情が変わってくるので、覚えておきましょう。ヤミ金は、前述した通り正規の貸金業者ではありません。
つまり、ヤミ金で借りたところで、信用情報機関にその情報が掲載されることはありません。結果、個人間の貸し借りとなるわけで、公的な信用情報機関はノータッチなわけです。
例えば、会社で○○さんに2000円を借りた時、来週返済すると言った場合、「○○さんから2000円借金」ということが、信用情報機関に掲載されると思わないでしょう。
そもそも、誰が報告するのでしょうか?ヤミ金側も、個人信用情報機関に連絡するということは、自ら「すみません、ヤミ金なんですが…」と言っているようなもので、不利になるだけなのです。
仮に、ヤミ金しか借りておらず、専門家に相談した場合は、ブラックリストは関係がありません。ただし、公的機関とみなされている大手消費者金融などの借金もまとめて債務整理した、ということになると、やはり各種個人信用情報機関には、債務整理をしたことが掲載されてしまうので注意してください。
安心して相談・解決を!
ヤミ金は、そもそも公的な貸金業者ではないので、ブラックリストに掲載されることは無い、ということがわかっていただけたと思います。しかし、そもそもの話ですが、ヤミ金解決をしたらローンがどうだ…とか、そういった心配よりもヤミ金で返済し続けている、という状況を正すべきでしょう。
ヤミ金は、高金利で貸し付けてきますし、法律なんか関係ありません。10万円を借りたところで、一生完済させないことだってヤミ金ならできるのです。10万円を借りたのに、30年間返済を続けており、もう返済総額が1000万円を超えている…。
どうでしょう。僕が極端なことを言っていると思っているかもしれませんが、嘘ではなく、平気でこういったことをしてくるからこそ、「ヤミ金」なのです。そして、はむかうことで嫌がらせをしてくるため、アナタの社会的信用、家族との絆、世間体もボロボロになります。
それを我慢してまで、クレジットカードや大手消費者金融でローンを組みたいのでしょうか。ヤミ金を借りている、ということがわかったら、安心して弁護士や司法書士、消費者センターなどに相談してください。
そして、今直ぐ解決すべきです。個人からのアドバイスではありますが、ヤミ金を借りたら即解決。これが、鉄則ですよ。
最後に・・・
力強く、ヤミ金は借り続けていてはいけない、ということをお伝えしました。債務整理や個人再生後、個人信用情報に傷がつくことで、多少は生きにくくなることは間違いありません。
しかし、目の前のヤミ金は人を人と思っていないため、どこまでもこちらの人生を破滅に追い込む手だてを考えてきます。余計なことを考えず、まずはヤミ金解決。これに集中し、甘えず、自分の新しい人生を切り開いていってください。