債務整理という言葉を聞いたことがあるでしょうか。借金をしている人は、考えたことがある人もいるかもしれません。ですが、なかなか一歩が踏み出せないということもあります。それは、債務整理についての知識がないためです。では、債務整理について紹介します。
■借金生活から抜け出すために
自分には、関係のないことと思っている人も多いかもしれません。ですが、いつ借金問題で苦しむかはわかりません。日ごろ生活をしていると、誰でも買いたいモノがあります。大きなものや高いモノを購入する時に借金をしてしまうことがあります。その時には、これから払っていけれると何も考えずに購入するでしょう。誰もが借金はしたくないと思います。
全てが現金で購入できれば良いですが、手元になく持っているクレジットカードや口座からの引き落としで分割してなら払えるのであれば、借金をしなくてはいけないこともあります。些細なことから借金をしていると、収入が一定で臨時でも高額な金額が手に入るのであれば気にすることはないかもしれませんが、出費が重なったり収入が急に少なくなったりすると毎日借り入れした返済はどうしようとお金のことばかり考えてしまいます。
また、支払いができなくなってしまうと督促の手紙や電話がかかってきます。手紙の時点で、支払いが出来れば良いですが自分の携帯や自宅にかかるのですが、督促の電話だとわかると言われることもわかっているしと電話に出ないこともあります。すると、職場にかかってくるようになります。借金していることを職場や家族に隠していた人は、ここでバレてしまいます。
こうなると、辛い思いをしますし毎日が憂鬱になってしまったり、どうやりくりをして生活をしていったら良いのかわからなかったり、仕事や日常生活に集中出来なかったりと悪いことが循環してしまいます。自分で何とか出来れば良いですが、お金のことで苦労すると自分では何とかできなくなっていることが多いです。この生活から抜け出すためには、借金を整理するための方法を考えてみると良いです。
■債務整理とは
借金を整理するためには、債務整理について知っておく必要があります。債務整理とは、借金の残債確認をし利息をカットして元金のみを計画的に確実に返済していくか借金がなくなるようにする法律を使った方法です。場合によっては、払いすぎているためにお金が返ってくることもあります。借金があって、どうにも首が回らないという人やいつまで借金で悩まされなくてはいけないのかと思っている人などが利用できる最終手段とも言えます。この債務整理には、種類があります。
○過払い金請求
本当であれば、お金を払う必要がなかったカードやローン会社などに支払いをしてしまうことで払い過ぎている時に請求ができます。
このことで、支払いが終わっていれば払いすぎている金額が返済されます。支払い中であれば、減額されて支払金額がなくなったり少なくなったりします。過払い金請求ができるかどうかは、支払いが終わって10年以内だったり借金をした年だったりで決まります。まずは、過払い請求ができるのかどうかを確認する必要があります。
○任意整理
借金の残債確認をして、合計の金額からそれぞれの会社に交渉し金利をなくすなどして借金を減らしたり毎月の支払金額を減らしたりします。
任意整理を始めると、クレジットカードを使っているようであれば使えなくなり、車のローンであれば車は差し押さえられたりと整理するモノによっては財産がなくなります。ですが、支払いの督促はなくなり支払金額が決まるまでは支払いをしなくて良くなります。この間に、専門家に頼んでいる間は専門家の支払いをしたり貯金をしたりすることができます。毎月の支払金額は、生活状況によって変えてくれますが希望通りになるかどうかはわかりません。借金の総額から3~5年にかけて支払いが終わるようにローン会社と話し合い、金額を調節します。できるだけ無理のない範囲にはしてくれます。任意整理をすることによって、過払い金が発生していることがわかることもあります。働く場所によっては、特定の仕事に就けないということもあるので注意が必要です。
○個人再生
今の借金の残債確認をして、借金の返済ができず毎日の生活も困難であることを裁判所に認めてもらうことで借金を減額してもらいます。この減額された借金を、3~5年かけて払っていきます。住宅など自分の財産を残して整理することができ、特定の仕事に就けないということもありません。
○自己破産
債務整理の中で、一番最後の選択肢と言っても良いです。自分の持っている財産を全てなくし、経済的にも払えないということを裁判所に認めてもらわなくてはいけません。そのため、家や車など自分の名義になっているモノで高額なモノは全て差し押さえになります。このことで、借金の支払い義務もなくなり借金がなくなります。一からの生活ができます。ですが、自己破産をしてしまうと、戸籍に残ってしまったり会社や就職する時に支障が出たりしてしまいます。
■債務整理をする前にやるべきこと
債務整理をする前には、やらなくてはいけないことがあります。それは、次のことです。
・債務整理の手順を知っておく
・借り入れ状況を知っておく
・全てのローンを把握しておく
・給料の使い道や支払いなど出費状況を把握しておく
・契約書や督促状などを準備する
・債務整理した後の生活がどのようになるのか考える
これらのことがあれば、十分ですが難しいこともあります。債務整理を頼む人は、お金のことで頭が回らなくなってしまっている人が多いので準備までできない人もいます。これら全ての準備ができなくても良いです。ですが、最低でも借り入れ状況の把握や債務整理をしてからの生活がどのようになるのかだけでも考えておきましょう。詳しいことは、専門家に相談すると必要なモノを教えてくれるのでそれをその通りに準備しましょう。
■債務整理でやってはいけないこと
債務整理では、やっても良いこともあればやってはいけないこともあります。それは、次の通りです。
○連絡が取れないという状況
この状況は、あってはいけません。カード会社や支払いをしている場所からの督促はなくなりますが、頼んだ専門家からは詳しい状況や債務整理の結果など重要な連絡がきます。
カード会社や支払いをしている場所からの連絡は取らなくても、専門家からの連絡を取らなくては債務整理ができません。いくら頼んで専門家への支払いが終わったとしても、連絡が取れないだけで債務整理を中止ししてしまう専門家も多いので注意しましょう。
○嘘を言わない
嘘は言ってはいけません。専門家が調べれば噓をついているとすぐにバレてしまいます。嘘をついていると、信用性がないと見だされ債務整理を引き受けてくれなくなってしまうことがあります。
○債務整理中に借金をしない
借金で困っているからと、また借金をしてしまうとますます借金が増えてしまいその時には返せるので良いかもしれません。ですが、のちのち返済できなくなってしまい悪循環に陥ってしまいます。
○借金の返済をしない
債務整理を頼んでから、返済しないで良い期間が出ます。その間に、お金ができたからと払ってしまうと計算をし直さなくてはいけなくなり手間がかかってしまいます。金額が決まってから支払うようにしましょう。
○連帯保証人が要る場合には債務整理をしない
どうしても経済的に困難であれば仕方がないですが、基本的に連帯保証人が要る場合の債務整理はしない方が良いです。連帯保証人に、返済義務が移ってしまいます。もしも、連帯保証人も支払えないとなると連帯保証人にも債務整理をしてもらわなくてはいけなくなります。
■債務整理をすると生活はどうなるのか
債務整理をすることは簡単です。頼めば、債務整理に向けて専門家が動いてくれます。その間は、特に何もしなくて良いのでいつも通りの生活ができます。ですが、人によっては職場が変わってしまったり家族が増えたりするなど生活環境が変わることがあります。それぞれの債務整理を行うと、次のようなことが起こります。
・過払い金でお金が返ってくれば、プラスになるので借金もなくなって気分的にも生活も良くなることがある
・過払い金がなければ決まった金額を支払いの期限までに払わなくてはいけない
・債務整理をしてから、2回以上返済が滞ると全額返済をしなくてはいけない
・支払期間が債務整理をする前とは違い短く、残債確認しやすい
このように債務整理をすれば、借金は減るかもしれません。ですが、必ずしも全てが解決すると言うわけではありません。人によっては、今までの生活を見直すことができ苦労を糧にして金銭感覚を直したりこれからはもう借金をしないように貯蓄をしたりと改善するのに良い選択だったと言う人もいれば、懲りずにまた借金を繰り返してしまったり債務整理をしても支払いができなくなってしまったりと言う人もいます。
債務整理をしてからは、基本的に完済後から7年後からカードやローンを組めるようになります。
自分の生活が債務整理をすることによって、どのように変化していくのかよく考えなくてはいけません。ですが、真面目に返済していれば職場に連絡もくることはないのでバレることはなく家族にも子供の学校にもバレることはありません。ただ自己破産をした場合には、 弁護士や司法書士、公認会計士、警備員、生命保険の外交員など職業や資格の制限があるので注意が必要です。
■最後に・・・
債務整理について理解できたでしょうか。借金は恥ずかしいことと、誰にも相談できずに悩んでいる人も意外と多くいます。紹介したように、債務整理によって今の借金で悩んでいる日々から解放されます。債務整理には種類がありますが、どれを選択するかは自由です。自分でも債務整理をすることはできタダでできますが、書類を集めたり大変なこともあります。楽に債務整理ができるように専門家に相談することで、相談にのってくれ自分に合った方法を選択してくれますがタダではありません。多額の金額がかかってしまうこともあります。
また、債務整理ができても楽なことばかりではありません。債務整理をすると言うことは、今までよりは少ない金額でも毎月必ず支払い続けなくてはいけません。月によっては出費が重なって辛いこともあるかもしれません。ですが、正しい知識があれば債務整理をしても不安に思うことはありません。また、失敗することもありません。債務整理で失敗してしまう人は、何度も繰り返してしまいます。正しい知識を身に付けて債務整理を成功させて、借金のない生活に戻るように努力しましょう。