借金をする時に、モノによっては保証人や連帯保証人が必要ということがあります。同じことだと思う人は多いかもしれません。この保証人と連帯保証人と言うのは、どういう意味なのでしょうか。保証人と連帯保証人の違いについて紹介します。
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■保証人とは
保証人とは、借金をするモノや金額などによって契約者だけではなく契約者に金銭を貸しても良いかを判断する素材としても使われます。もしも、契約者が金銭を借りれたとしても返済するまでは保証人の名義は有効で、契約者が返済できていなければ保証人に連絡が入ります。そして、返済を迫られます。ですが、保証人には3つの権利があります。それは、つぎの3つです。
○分別の利益
契約者の債務を複数人が保証している場合、契約者が返済できなくなった時に保証人の人数で割った金額を保証人が支払うようになります。
○検索抗弁権
契約者の返済がなく、保証人に返済の請求がきた時には先に契約者の財産を執行してもらうように伝えることができる保証人に対しての権利です。
○催告抗弁権
保証人に返済の請求がきた場合、先に契約者に請求をするように伝えるように抗弁できる保証人に対しての権利です。
これらの権利があることで、すぐに契約者がした借金の返済をしなくてはいけないと言うことはありません。まずは、契約者に請求したり財産を差し押さえるように主張することなどができます。
■連帯保証人とは
連帯保証人とは、保証人と同じように契約者が金銭などを借りる時に貸しても良いと言うのを判断する素材となります。ただ、保証人にあるような「分別の利益」「検索抗弁権」「催告抗弁権」の3つの権利がありません。なので、もしも業者から契約者に代わって返済するように連絡が来ると、契約者がどのような状況であっても返済しなくてはいけません。
■保証人と連帯保証人の違い
保証人と連帯保証人は、それぞれ紹介したように契約者が返済できなくなった時に代わって返済をする人ということが共通点です。ですが、違いもあります。それは次の通りです。
〇突然に業者から請求があった場合、保証人であれば契約者に請求するように伝えることができる催告抗弁権を主張することができます。ですが、連帯保証人の場合にはそのように伝えることはできず請求されれば支払わなくてはいけません。
〇契約者が本当は返済する資金があるにもかかわらず、返済を拒んだ場合に保証人の場合には契約者に請求するように伝えることができ契約者の財産を強制執行する検索抗弁権を主張することができます。ですが、連帯保証人の場合にはそのように伝えることができません。請求されれば、支払わなくてはいけません。
○保証人が何人もいる場合、保証人であれば頭数で割った金額のみを支払うだけで良い分別の利益をすることができます。例えば、契約者が1000万円の債務があるとします。保証人が5人と複数人いる場合、一人に200万円支払うようになります。ですが、連帯保証人であれば分別の利益を利用することはできないので、全額を返済しなくてはいけません。大きく分けて3通りの違いがあります。これらを見ていてわかるように、保証人と比べると連帯保証人は責任が重いです。
■保証人・連帯保証人以外で気をつけなくてはいけないこと
保証人になるのも連帯保証人になるのも気をつけなくてはいけないのですが、これ以外にも気をつけなくてはいけないことがあるのです。それは、「根保証」です。聞いたことがないと言う人が多いかもしれません。ですが、保証人になる場合には確実に知っておかなくてはいけない言葉です。知らないままで根保証が保証をする時に一緒に書かれていると大変なことになります。
どういうことなのか、詳しく説明していきます。金銭を借りる時には、融資枠が決まりそこから契約者が範囲内で借りていくというのが一般的です。基本的には、契約者が借りて返せなくなった金額を保証人が返済していきます。
多くの人は、それしかないと思うかもしれません。ですが、根保証がついていることで、借りて返せなかった金額ではなく融資枠の金額を支払わなくてはいけないのです。例えば、契約者が業者と契約をした時に融資枠が100万円だったとします。それから、50万円を借りたとします。本来であれば、返さなくてはいけないのは50万円だけです。ですが、根保証がついていると100万円を返済しなくてはいけません。保証人や連帯保証人になる時には、必ずよく読んでサインしましょう。
■保証人・連帯保証人になる
保証人や連帯保証人になる時には、契約者も支払いができると契約をしていることが多いです。そのために、保証人や連帯保証人もなにも気にすることなく契約書にサインをしてしまいます。ですが、生活環境は日々変わっていきやすいです。何があるのか誰にもわかりません。そのように、生活環境が変わり支払えなくなることで保証人や連帯保証人に負担がかかってしまいます。
サインをすることは簡単です。友人であり、家族であり信用している人であればサインをしてしまいます。ですが、サインするということは契約者の代わりに借金をして返していくということを約束するのと同じことです。もしも、負担がかかってしまった時には自分の生活環境が変化し苦しくなってしまうこともあります。安易にサインをしてはいけません。サインをする前に、よく考えてからサインをしましょう。それほど保証人や連帯保証人になることは、リスクが高いことなのです。一度サインをしてしまうと、やめることはできません。やめる時には、別の保証人を探さなくては行けなかったり不動産など財産を担保にしなくてはいけません。
■保証人・連帯保証人になって困ったら
契約者が返済してくれれば何も問題はありません。ですが、返済できなくなってしまい保証人や連帯保証人に回ってきてしまうこともあります。その時に支払えるのであれば良いですが、いくら保証人や連帯保証人になったからと言っても難しいこともあります。そのように困った時には、弁護士に相談してみましょう。保証人や連帯保証人になったからと言って、抱え込んでしまう必要はありません。法律で解決することができます。
■保証人や連帯保証人が返済しない場合
契約者が返済できない場合、保証人や連帯保証人に返済の義務が移ります。では、保証人や連帯保証人が返済できなくなった場合には、どうなるのでしょうか。保証人や連帯保証人の方に、請求や督促状が届きます。それでも支払いがなければ、裁判となります。この時、何もしなければ一括で返済をするように請求されます。これでも返済ができないようであれば、財産の差し押さえや給料の1/4までの差し押さえか33万円以上の給料が差し押さえられます。さらに、通帳が差し押さえられることもあります。このことで、今まで貯金していたお金も出せなくなります。この他にも、車や家、家財など差し押さえになることもあります。
■連帯保証人が債務整理をすることはできるのか
保証人は、3つの権利があるため何かあったとしても契約者の借金の返済から逃れることができます。ですが、連帯保証人となると返済から逃れるすべはなく、何が何でも契約者の借金を返済しなくてはいけません。それが、契約者が任意整理や個人民事再生、自己破産などをしたとしても残っている借金を連帯保証人が支払うことになります。それでは連帯保証人の人には、何も手助けしてくれるモノはないのかと考えてしまいます。助けてくれる方法があります。それが債務整理です。連帯保証人でも債務整理や個人民事再生、自己破産などを行うことができます。このような状況になると、自分がした借金ではなく借金したお金も使っていないのにとサインしたことを後悔してしまう時期です。サインをしたので仕方がないとしか言いようがありません。もしも、返済するのは厳しいと言うようであれば、契約者から連帯保証人に返済義務が変更になった時に早めに相談をすると良いです。
■家族の返済義務
契約者に家族がいた場合、契約者が返済できないのであればその家族が支払わなくてはいけないのではないかと思ってしまいます。ですが、保証人や連帯保証人になっていなのであれば返済しなくてはいけないということはありません。
また、家族であれば印鑑など必要なモノを持ち出して契約者が勝手にサインをしてしまうことがあるかもしれません。最近では、保証人にも確認の連絡があるのでこの時に家族が知らなければ契約できないこともあります。中には、確認なしに保証人になってしまうこともあります。もしも、契約したことが身に覚えがないようであれば払う義務はありません。保証人のサインが本人のサインでなければ無効です。
■保証人になる場合
できるだけ、保証人や連帯保証人にはならない方が良いですがならなくてはいけないこともあるかもしれません。そのような時には、次のことに注意してみましょう。
・保証人なのか連帯保証人なのかを確認する
・保証の中に根保証が含まれていないかを確認する
・借りる業者が違法な業者でないかを確認する
・金額を確認する
・契約書をもらう
これらのことを細かく確認して、納得した上でサインをしましょう。
■最後に・・・
保証人と連帯保証人についてわかったでしょうか。紹介してきた内容を見て契約者がした借金を支払えなくなった時に保証するというのは同じですが、保証する金額や督促を受けるタイミングなどが違うということがわかったのではないでしょうか。紹介したように、保証人や連帯保証人になることは簡単です。サインをするだけです。ですが、サインをした後のことをきちんと考えなくてはいけません。できれば、保証人や連帯保証人などしない方が良いです。
保証人や連帯保証人を頼む時や頼まれる時、友人や信頼できる人に必ず返すしサインだけが必要で負担はかけないと言われますし、自分でも同じような状況になってしまうと言ってしまう人が多いのではないでしょうか。ですが、最後まで返済できるのかどうかは誰にもわかりません。急に入院してしまったり仕事がなくなってしまうこともないとは言い切れません。契約をする時には、何も見ずにサインをするよりも契約内容をよく見て、サインをしましょう。
また、自分の財産内で支払いができる金額なのか、もしも支払わなくてはいけない場合にすぐに返せるのかなど考えなくてはいけません。相手にサインをお願いする時も迷惑をかけないようにしましょう。安易な考え方は、信頼関係にもひびが入ることになりますし、もしも家族がいる場合には家族にも迷惑をかけ、今後の生活にも影響が起こります。
