ヤミ金に苦しめられている、という方はどのような方々なのでしょうか。イメージ先行で考えた時、遊ぶかね欲しさに、甘い謳い文句を信じ込み、思わず手を出してしまった、というシチュエーションが思い浮かぶかもしれません。
しかし、そういった方々は往々にして少なく、実は生活費を捻出するために消費者金融で借金を重ねた後、どこからも借りれなくなってヤミ金に手を出す、というパターンが殆どなのです。
そのため、ヤミ金を借りている方はほかにも借金が多くあり、自己破産寸前になっている方もいます。
結果、一部の方の場合、ヤミ金からの取り立てに対応することができず、自己破産してゼロからのスタートを切ろう、と再起に賭けるわけです。しかし、自己破産したらヤミ金は去ってくれるのでしょうか?今回、ここでは、ヤミ金は自己破産では解決できない、ということを詳しくお伝えします。
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破産しようがヤミ金業者には関係ない
まず、最初の答えを言ってしまいますが、ヤミ金は自己破産では解決しません。その理由は簡単で、「ヤミ金は貸金法違反」だからです。何だか、難しくてわからない人もいると思うので、少し詳しく解説していきます。
ヤミ金はもともと法を守っていない
自己破産を申請し、それが受理されるということは、その申し立てをした人は免責が下った、ということになります。この面積とは、借金などをしていても、そらが全て免除となるという意味です。
個人的にも、多重債務者の方やさまざまなローンを重ねた方が免責になり、ある意味では心が楽になったという話を良く聞きます。
後述する官報などに掲載されてしまう、というリスクがあるようですが、ひとまず毎月数十万円にも上る返済金や鳴り止まない催促の電話が無いだけでも、安心して日々を過ごすことができるようです。
さらに、免責は借金の全てに対応するため、仮に正式に貸金業者として国から登録されたヤミ金からの取り立てであれば、それらは免責となります。であれば、良いのでは?と、思うのですが、そうは問屋が卸しません。
そもそも、ヤミ金は貸金業に登録をしていなかったり、登録をしていたとしても、違法で適当な個人間取引をしています。
正式に登録したと思っていても、それらが本当に「借入金」として公的に登録されているかもわかりません。そもそも、法律に違反しているということは、直接弁護士がやってきたわけで無い限り、ヤミ金側にとってみれば、「へぇ。自己破産?だから?」なのです。
むしろ、「自己破産=他の借金を返済しない」ということで、「金があるんだから、よろしく」とばかりに、取り立てを強化してきます。いくら裁判官に言ったとしても、これは無駄。弁護士に相談する他ないのです。
闇金は自己破産の対象外
前述した通り、ヤミ金は自己破産申請をし、免責が下ったところで全てがゼロになることはありません。
一般的なイメージとしては、普通は裁判官が厳しく方を下したものであれば、全てのものはそれに従わなければならない、というのが普通です。しかしながら、世の中はそんなに甘いものではなく、悪さをしている連中はどこまでもずる賢いのです。
他の借金とは別物と考える
自己破産での免責が適応されるのは、基本的には公的な借金のみです。例えば、近頃話題となっている銀行系のキャッシングですが、あれで多額の借金を抱えてしまい、やりくりが不可能になってしまった場合、免責で返済義務は消失します。
僕個人の感覚でいうと、消費者金融での多重債務がもっとも多いと思うのですが、テレビCMなどをよく打っている大手消費者金融をはじめ、正式に貸金業者として登録をしている中小金融、クレジットカード会社などであれば、免責は適応となります。
しかしながら、ヤミ金の場合はこれら登録をしていないことが多くあります。と、いうか個人感覚では登録している連中はほぼ皆無といって良いでしょう。
HPなどでは、パフォーマンスで記載しているだけですし、名前があまり世に出ていない小規模消費者金融のコードをパクっているだけかもしれません。
そもそも、トイチなどは確実に違法な金利ですので、正式に登録をしていたとして通報されれば、一発で取引停止です。それでもならない、ということは、単純にモグリということです。苦労と恥を重ね、生まれ変わる意思で自己破産をしてみたのに、ヤミ金は対象外。少しショックだと思いますが、これが現実でもあるのです。
官報について
また、自己破産の話題が出ているので、「官報」についても触れておきましょう。官報とは、行政機関の休日以外、毎日のように国が発行している「自己破産者」や「個人再生」をしている方のリストです。
見た目、新聞のようなものであり、簡単にいうと、新聞のお悔やみ欄の自己破産版といったところでしょう。
あまり、気持ちが良い内容ではありませんが、こういったモノを必要としている仕事の方もいるので、無くなることはありません。官報に記載される内容としては、「手続きを行った裁判所名」と「その手続きを行った日時」、そして「破産者の名前と住所」となります。
筆者は債務整理をしたことがありますが、当時は官報については知らなかったので掲載されていたか、は不明ですが、個人再生した場合も掲載されているため、もしかしたら載っていたかもしれません。
今では、調べられるようなので、気になる方はチェックしてみてください。さて、話はズレてしまったのですが、この官報に載ることとヤミ金、どこに共通点があるのでしょうか。
官報はヤミ金のターゲット!?
自己破産で免責が下っても、ヤミ金の魔の手からは逃れることができない、ということをお伝えしましたが、それだけではなくヤミ金はさらにこそくな手段を使います。
ヤミ金の中には、官報を常々チェックしているところがあり、「当分の間は借金が作れない」という、経済的弱者につけこんでお金を無理矢理貸そうとしてくるのです。官報に載っている、ということは債務整理及び自己破産をしている、ということです。
軽く前述しましたが、見方を変化させると、「月々の返済が無くなっている」ということです。自己破産は仕事まで奪われるわけではありませんので、むしろ、多重債務で精神的に参っていた人にとってみれば、明るい一歩です。
それなのに、それにつけこんでくる最低レベルの思想を持っているのが、ヤミ金なのです。
ここまで徹底しているかはわかりませんが、ヤミ金の返済を滞らせておき、その人物の名を官報で探し当てる可能性もあります。よく、ヤミ金は地獄の果てまで追いかけてくる、ということを言いますが、その答えがここにあるような気がしてなりません。
自己破産ではなくヤミ金対策を
借金に困っていたとしても、できることであれば自己破産をせずに、自らの力でこの難局を切り抜けてほしい、というのが個人的な願いです。
自己破産をすれば確かにある意味では楽になるのですが、クレジットカードが作れないだけではなく、賃貸の保証会社の審査に落ちてしまったり、いざという時のローンを組めないことがあるのです。
そうなってしまうと、非常に後々大変です。中小金融などで借り過ぎてしまい、もう家族離散寸前になっているのであれば、自己破産という手もあるでしょう。しかし、借金の主な悩みの中心がヤミ金であった場合、できるだけ自己破産は避けるべきだと思います。
返済の義務はない
何度も言うようですが、ヤミ金には返済義務はありません。違法な貸付けを行っているわけですので、ある意味ではそれに真面目に返済し続けるということは、違法な取引に加担しているのと一緒です。ヤミ金で悩んでいる場合、まずはその取引内容を吟味する必要があるでしょう。
自己破産よりベストな正しいヤミ金対策とは?
自己破産してしまえば、全てが楽になる、という発想に辿り着く人が多いようです。状況によっては、自己破産しなければ会社が潰れ、さらには家族にも多大なる迷惑がかかる、という人もいます。
自己破産後のメリットとデメリットを考え、メリットがかなり大きければ自己破産という手もあります。ただし、ヤミ金によって自己破産を考えているのであれば、話は別です。冒頭の方でお伝えした通り、ヤミ金はもともと違法な取引をしている場所ですので、公式に貸金業に登録しておらず、公的な免責が下ったところで、意味がありません。
仮に、「もう、自己破産したから金輪際近寄らないでください」と強く言っても、彼らの心には1ミリも届きません。「うるせえよ。バカ。金は、死んでも返してもらう」で終わりです。そうなると、自己破産をするよりも選択肢として、「弁護士に相談」しかありません。
ヤミ金業者が最も嫌がるのは、弁護士とのやり取りです。ヤミ金側にとってみれば、違法性のある取引をしているので、仮に法定での勝負となったら負けます。さらに、嫌だから…と裁判を欠席しようものなら、欠席裁判となりヤミ金が確実に負け、多大なる賠償金を支払うことにもなりかねません。
借主からお金を徴収することができず、さらには弁護士に追われ、ほかの債務者からの金利も徴収できなくなる。どうでしょうか?一人が勝手に自己破産して、正当性を主張するより、弁護士1人に相談する方がヤミ金にとっては、死活問題へと発展するわけです。
ヤミ金自体の撲滅のためにも、自己破産ではなく、弁護士に直ぐに相談してしまう方が、賢い選択肢であると僕は考えています。
最後に・・・
文中、個人的にも債務整理をした、という話をしました。ヤミ金対策として、逃げる目的で自己破産をすることはあまりオススメできません。その後の人生において、非常に苦労する可能性が否めないからです。
それより、今直ぐに弁護士に相談して、違法性のあるヤミ金と戦ってしまった方が、数百倍有益な結果をもたらすでしょう。自己破産ではヤミ金は潰れない、ということを念頭にいれ、身の振り方を検討していってください。