大手消費者金融はもちろん、近年では銀行系キャッシングを利用して多重債務者となってしまう方も少なくはないそうです。
大手消費者金融は今、年収の3分の1以上を借りることができない総量規制が入っていますが、銀行系にはありません。つまり、昔の消費者金融のように、どんどんお金を借りれてしまうわけです。とはいえ、中小金融や小規模消費者金融、昔の借金が残っているなど、まだまだ借金まみれの方は多いようです。
今回、そういった多重債務者が行う個人再生と闇金の関係性についてを検証していきます。個人再生は闇金と非常に相性が悪い、ということで知られていますが、その理由を徹底追及していきます。
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闇金には支払う必要が無い
闇金を利用する際、どうやって返済し続ければ良いのかとか、金利の低いところならいいのか、優良な闇金はあるのかなど、闇金との付き合い方を考える方が多くいます。
闇金の一番のネックはその金利の高さにあるため、確かにこういった発想になるのはわからないでもありません。しかし、ここで冷静になって考えなければならないことがあります。それは、闇金は払う義務が無い、ということです。
闇金は詐欺
闇金という言葉は、通称的なものであり、消費者金融業者や銀行のような正式な「金融業者」としては括られていません。
例えば、都道府県の貸金業者登録がなされていなかったり、ネット掲示板で募集して個人間でやり取りをしたり、金利なるものが存在しなかったりと、一般的な消費者金融では考えられない営業方法で貸金業務を行っています。つまり、闇金は貸金業者ではなく、ただの詐欺グループと認識しなければなりません。
支払う義務は一切無い
真面目な方ほど、「借りて（騙されて）しまった自分も悪い」と思ってしまい、払ってしまうことがあるようです。ですが、貸金業者として登録されていないのに、あたかもそれを装って法外な金利でお金を貸し付けることは、違法です。さらに闇金の場合は一般的な消費者金融を装い、様々な手口でお金を貸し付けてくるため、気づいたら闇金に手を出していたという状況も十分に考えられます。そんな時でも、泣き寝入りする必要はありません。
違法な業者に返済する必要は法律上は一切無く、
即時対処すれば良いのです。
個人再生がヤミ金と相性が悪い理由
闇金には1円も支払う義務は無い、ということがわかっていただけたところで、冒頭で話題を出した、個人再生について考えていきます。
個人再生の仕組み
個人再生とは、簡単にいうとその人が抱えている借金を減額し、残った債務を少しずつ返済をしていく『多重債務者や借金が多く残っている人』への救済法です。
個人再生のポイント
- 借金が5分の1程度の大幅な減額が適用される
- 減額後、3年という長いスパンで残額を返済していける
- 債務総額が5,000万円以下の人しか適用されない
消費者金融などを利用している方であれば、恐らく多くても数百万円の借金でしょうから、ほとんどが適用される、と考えてよいでしょう。
個人再生をシミュレーション
個人再生についてざっくりと説明をしましたが、もう少し詳しく見ていきましょう。わかりやすいよう、Aさんという方が個人再生をした、ということにします。
Aさんは、1,000万円の借金があったとしますが、どうしても現状返済し続けることが困難である、とします。
そこで、司法書士などに相談して個人再生をすることにしました。個人再生が適用された場合、借金の総額は1,000万円の5分の1ですので200万円となり、それを3年かけて分割で支払っていく、ということになります。
しかし、個人再生は少々複雑な部分もあって、返済金額の総額が100万円を下回ってはいけない、ということになっています。
つまり、200万円の5分の1は40万円ですが、100万円を下回ってしまっているので、個人再生をしても100万円は3年かけて支払い続けていかなければならない、ということになります。
多額の借金をしている方の方が、減額率は高いため、借金を5分の1に減額しても100万円以下にならないほど、多くの借金を抱えている人向けの救済法と考えておくと良いでしょう。
個人再生のデメリット
ブラックになってしまう
ブラックというのは、要するに信用情報機関に事故履歴が残ってしまうことであり、大手消費者金融はもちろん、クレジットカード、保証会社によっては審査が通過できずアパートなどが借りられないなど、普段の生活に支障を及ぼす待遇となる、ということです。
しかし、個人的な意見として、借金をし過ぎたことで困窮してしまい、抜け出すために個人再生を利用した場合は、カードの利用は控えた方がいいと思っています。手元に現金がない状態でも購入できてしまうカードを持つことで、また借金を重ねてしまう可能性が高いからです。
ブラックは不便である、ということではなく、お金との付き合い方を一から学び直すチャンス、と捉えることの方が重要なのではないでしょうか。
官報に載ってしまう
デメリットとして、ブラックになってしまう以上に知っておくべきものがあります。それが、官報に載ってしまう、ということです。官報は、国の作用に関わるような事柄の広報的なものが掲載される、とされている機関誌です。この官報なのですが、実は行政機関の休日以外は毎日のように発行されているものです。
「国の作用に関わるような事柄」と、お伝えしましたが、殺人を犯して死刑になったとか、総理大臣になったとか、そういった日本国にとっての重要な事例だけを伝えているのだろう、と思われがちなのですが、自己破産や個人再生など、こういった情報もしっかりと掲載されてしまいます。
つまり、個人再生のデメリットとしては、この官報にしっかりと名前が掲載されてしまう、ということなのです、都道府県庁所在地にある「官報販売所」という場所で購入できるので、気になる方は見てみましょう。
闇金に狙われる
上記の官報に載ってしまうことで、「闇金に狙われる」可能性が高くなります。
闇金は、銀行や消費者金融でも借りられるような、ホワイトな人たちは相手にしませんし、そういった人たちも闇金には手を出さないでしょう。
しかし、前述したようにブラックになると、どこからもお金を借りれなくなるため、闇金のような場所がそういった人たちに甘い誘惑で手を差し伸べるのです。
そのため、個人再生が終わった後に、闇金から連絡が来たり、押し貸しをしてきたりという、そういった被害に合う方も少なくはないのです。
ヤミ金につけこまれない債務整理の方法は？
自己破産や個人再生をした場合、官報に名前が掲載されてしまいます。個人的な考えですが、闇金には名簿屋という人たちがバックについており、そういった人たちが官報の自己破産や個人再生の欄の情報を名簿に起こし、売りつけている可能性があります。逆にいうと、官報に掲載されなければ闇金につけこまれないということになります。
多重債務などで困っている方で、闇金側に情報が漏れずにどうにか債務整理をしたいのであれば、任意整理がおすすめです。
任意整理の仕組み
任意整理とは、借金を減額できる法律とは異なり、貸金業者との掛け合いで利息制限法に基づいて利息を引き直し、小額ずつ返済をしていく内容にしていくという救済法です。
任意整理のポイント
- 利息を計算し直し、少しずつ返済（過払い分を相殺）する
- 官報に掲載されることはない
- 利息制限法グレーゾーン金利時代の借入であれば差額分を返還要求できる
任意整理を利用するのであれば、闇金にこちらからタッチしない限りはつけこまれないので、安心して利用してください。
まとめ
今回、闇金と個人再生の関係性についてを解説していきました。人それぞれ理由はあるでしょうが、個人再生をするほどに借金を重ねてしまう、ということが問題です。
とはいえ、そういった自分をたてなおそうと個人再生を行うことは悪いことではなく、新しい人生のスタートとして利用してみるのもアリです。
お金と正直に向き合おう、と思って動き出した人を闇金はあの手この手で狙ってきます。冒頭、お伝えした通り闇金は詐欺の一種ですので、支払い義務もありませんし、手を出しては行けないサービスです。ぜひ、今回の内容をしっかりと頭に入れておき、今後に役立ててください。
